円相場にしても原油価格にしても、海外の投機筋の売買にかき乱されることがありますが、彼らの考え方が理解できていれば、かえって相場の動向を予測するのが容易になることがあります。だから、海外の投機筋の動向に対して怖れる必要はまったくなく、相場の潮目が変わるポイントやその後の方向性だけは、私たちにも十分に読むことが可能であるのです。
今こそ企業の経営者は、経営や投資を決定するときに、経済環境の見通しを外部の専門家任せにするのをやめなければなりません。そのうえで、自らが経済や市場の流れについて考える習慣を身に付けること、自らが試行錯誤を繰り返すことでさまざまな教訓を学ぶことが大切なのです。確かに、株価の予想は非常に難しいと思いますが、経済の流れを予測するのはそれほど難しくありませんし、円相場の予想も株価ほどは難しくはないのです。
経済予測力が求められている
日本に限らず世界中の企業で、経済を的確に分析できる人材がいないという問題を抱えてきます。今の混沌とした世界では、企業の大小、年齢や性別を問わず、経済予測力を身に付けた人材が広く求められるようになっていくでしょう。
米国では近い将来、「データサイエンティスト」が最もセクシーな職業になるだろうと言われていますが、「経済予測力を武器にする企業人」も同じくらい魅力的な地位を確立することになるのではないでしょうか。
新刊『ビジネスで使える 経済予測入門』では、これからの時代に、いかに経済予測力が求められているかを説明したうえで、その予測力を身に付けるための方法を、3つのポイントを絞って紹介しています。あなたがこの本を読んで自分の糧にすることができれば、ちまたにあふれている手軽なビジネス書を50冊や100冊読むよりも、きっと将来の役に立つことになるでしょう。経済の分析や予測についてだけでなく、あらゆるビジネスの場面でも、あるいは資産運用をする際にも、非常に役に立つことが期待できると思います。
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