ハフィントンポストが陥った「中年の危機」

なぜ創業編集長は辞任したのか

2016年8月11日に編集長辞任の発表をしたアリアナ・ハフィントン氏(撮影:尾形文繁)

ハフィントン・ポストは2005年のローンチ時、創業者アリアナ・ハフィントンの虚栄心のために作られたメディアと思われ、あまり大きな注目を集めなかった。

しかし、そんな疑いはすべて間違いであったと証明されることになる。データ中心主義を真っ先に取り入れ、トラフィックを生むための方法を次々と作り出し、オンライン上に巨大なオーディエンスを獲得したのだ。

その後、10年が経ち、デジタルニュースサイトの集団を先導するまでになった(また、トラフィックという点でも、多くのレガシーニュースメディアは敵わない)。成長過程では調査報道や重大ニュースを追いかけるために一気に雇用を拡大。ほかに類を見ない規模、そして、編集記事のような広告フォーマット(当時はまだネイティブアドという言葉は生まれてなかった)をもってして、ハフィントン・ポストは間違いなく、この分野の草分けとなっている。

ひとつの時代の終わり

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

2016年8月11日、このサイトの名前の由来となった共同ファウンダーである、アリアナ・ハフィントンが編集長を辞任すると発表。これまでの歴史を考えても、それはひとつの時代の終わりを意味した。

辞任の理由は、自身がはじめる新しい会社スライブ・グローバルの経営に集中するためだと述べている。しかし、ある意味、ハフィントン・ポストは、ピークを遠い昔に過ぎたサイトだ。広告分野において、同サイトからイノベーションは起きていない。

また、エディトリアル分野でも幅広いトピックを扱っており、業界の分野集中型(バーティカル)というトレンドから外れている。ほかのパブリッシャーたちは、自分たちのコンテンツを異なるソーシャルプラットフォームに適応させることをいち早く実践してきた。

次ページオーディエンスのシフトも
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • 内田衛の日々是投資
  • ルポ「ホームレス」
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
好業績の裏で検査不正<br>スズキ「鈴木修経営」の光と影

5月10日の決算会見に登壇し完成検査の不正を詫びたスズキの鈴木修会長。不正は組織的・構造的な問題か、現場への目配り不足によるのか。長年にわたるカリスマ経営の副作用を指摘せざるをえない同社のガバナンス体制を詳解する。