ハフィントンポストが陥った「中年の危機」

なぜ創業編集長は辞任したのか

ほとんどの点において近年、ハフィントン・ポストはイノベーションを起こしていない。ハフィントン・マガジンと、ライブストリーミングビデオであるハフポスト・ライブという2大ローンチも上手くいっていないようだ。過去1年間で、もっとも大きなプラットフォームイニシアチブであったFacebookインスタント記事と、Snapchatディスカバーのローンチパートナーにも含まれていなかった。

BuzzFeedが大胆かつ決断力のあるビデオ方向への転換を行ったのに対して、ハフィントン・ポストはつまずいてしまった形だ。ハフポスト・ライブは2012年に創られたが、これはサイト上で定刻に視聴できるというものだった。しかし、決められた時間にユーザーにサイトを訪れてもらうというのは非常に難しいことが分かった。特にユーザーがあらゆるコンテンツをソーシャルメディア上で消費している時代ではそうだ。

チューブラーラボによる動画再生回数の調査

そこで、1月にはサイトだけでなく、ソーシャルプラットフォーム向けのビデオも制作するように方向転換。調査企業チューブラーラボ(Tubular Labs)による調査では、6月にはAOL全体として、複数プラットフォームにおけるビデオ再生回数トップ10のメディアにも達しなかった(ハフィントン・ポストを含むAOLは、12位であった。トップ3はBuzzFeed、タイム・ワーナー、ウォルト・ディズニー)。

その一方で、デジタルオンリーおよびレガシー問わず、ほかのパブリッシャーたちは、新しい広告プロダクト、記事の扱い方、そしてコンテンツ配信のフォーマットにおいて足並みをそろえてきている。NYタイムズは、ネイティブアドとビジュアル・ジャーナリズムのスタンダードを定めるポジションとなってきた。ミックはモバイルビデオアプリプラットフォームであるハイパーを買収。ガネットですら、2014年からVRに取り組んできている。ビデオが今後もより大きな役割を果たすことを業界人が予測するなか、VRエージェンシーであるライオット(Ryot)を買収したことに関しては、ハフィントン・ポストを誉めなくてはいけない。

もはや提案依頼のリストにも載らない存在に

あるトップデジタルバイヤーは次のように指摘する。「ハフィントン・ポストはインターネットの寵児が経験する3つの段階を通過した。まず、(バイヤーにとって)計画書に載せないといけない存在となること、それから、提案依頼(RFP)のリストに載せないといけない存在となること。仕事界隈で聞いている話だと、もはや提案依頼のリストにも載らない存在となったようだ。検討するリストにも入っていない。ほかのメディアがその場を奪ってしまった」。

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