「タイム」が10年連続減収から脱出できたワケ デジタルだけで36%の売上増加
アイコン的な赤枠と誇りあるジャーナリズムの歴史をもつ雑誌『タイム』だが、『ニューズウィーク』や『USニューズ&ワールド・レポート』がたどった「凋落するニュース週刊誌」という歴史の流れには逆らおうとしている。
近年、タイム社の収益は長く減少を続けてきた。そんななか、2015年の収益4%増加、デジタルでは36%の増加という結果は、大きな歓声をもって迎えられる。タイム社CEOのジョー・リップ氏は、「10年間の継続的な収益減少をこのチームはひっくり返すことができた」と、投資家たちに語った。ロウワー・マンハッタン・オフィスでのオープンハウスでのことだ。
いかにそれを達成したのか、そして今後の展望について、同社エグゼクティブたちが語った。
スタッフの入れ替え
メディアを成長させ、広告主たちにその価値を伝える。そのためには適切なスタッフ構成を実現することが重要だった。タイム社はここ3年間で60%を越える社員の入れ替えを行ったという。その過程で、デジタル部ゼネラルマネジャーであるカート・フレップ氏が参画し、また「ウォール・ストリート・ジャーナル」や「ロイター」といった伝統的なメディアに加えて、Vox Mediaのような新興デジタルメディアからもスタッフを手に入れた。