ポケGOに迫り始めた「流行語大賞病」のワナ 大人気の反動が批判・不満や嘲笑を生み出す
こうした流行語大賞病にはまってしまった例として象徴的なのが、SNSのmixi(ミクシィ)です。
話題のサービスだったが……
mixiは日本におけるSNSの本命として大いに人気を集め、2006年7月には会員500万人を突破、9月には上場もしてさらに大きな注目を集め、2006年の流行語大賞のトップ10に選ばれるほど話題のサービスになりました。
一方で招待制というサービスの構造や、上場の成功に対してアンチも増える結果となっていたところに、同年10月に、mixiユーザーのトラブルが発生し週刊誌などで注目されるなど、典型的なネガティブなニュースがより大きく注目されるトラブルが発生。ブームと並行して、類似のmixiユーザーの炎上騒動が注目されるようになります。
その後、mixi側はこれらの騒動に対する対策のひとつとして、翌年に新規登録時の携帯電話メールアドレスの必須化を選択。この選択はその後、海外のユーザーやスマホユーザーがmixiに登録できないという結果を生んでしまい、mixiがFacebookに敗北した背景のひとつになったと言われています。
結果的に、少なくともGoogleトレンドのデータを見る限りmixiの検索数が2006年の話題のピークを越えることはその後ないという結果になりました。
ポケモンGOの運営会社がこれから直面するのは、リリース直後にあまりに大きな話題になってしまった結果、発生しつつある流行語大賞病のさまざまな症状ということになります。
ただ、もちろん流行語大賞病は乗り越えられない病気ではありません。
たとえばツイッターは、2010年に「~なう」が流行語大賞のトップ10入りしたように2010年に大きな話題を集め、2011年の東日本大震災においてもインフラとして活用されたことで注目されたものの、その後Facebookがビジネスマンを中心に流行した結果、特に広告業界では「終わったサービス」扱いされてしまいました。
実際には、実はツイッターは日本では若い世代を中心に底堅い人気を集めており、グーグルトレンドで傾向を見てみるとフェイスブックのほうが下火の傾向に見えるほどです。
そういう意味ではツイッターは流行語大賞病を乗り越えたということができるかもしれません。
ポケモンGOにおいて、特に日本はサービス公開時期が米国よりも後になった結果、公開前にテレビ局もネットメディアも一斉にポケモンGO公開を今か今かと取り上げたため、米国以上に凄まじい初期のスパイクが刻まれる形になりました。
米国において未だにポケモンGOがアプリのセールスランキングのトップにいるのに対して、日本ではすでにパズドラやモンストに挽回され、かなり順位が後退しているようですから、そういう意味では、流行語大賞病の反動も間違いなく米国や海外に比べて日本がいちばん大きいと思います。
ただ、一方でポケモンファンや位置情報ゲームファンが最も多いのが日本であるというのも事実です。
そもそもポケモンは、栄枯盛衰が激しいゲーム業界で20年を超えるロングセラーになった実績のある息の長いコンテンツですし、ポケモンや任天堂にはそのノウハウがあるはずです。
またポケモンGOはこれから進化していくウェブサービスであり、今実装されている機能は全体の構想のごく一部という見方もあります。
まだポケモンGOに登場していないポケモンは500種類を超えますし、事前動画で紹介されていたようなボス戦やユーザー同士のポケモン交換、地域限定ポケモンなど、様々な構想もあるようです。
私自身、こういう記事を書いておきつつ、自らも電車の中でポケモンGOを開くのが徐々に恥ずかしく感じる日々が始まりつつありますが、ポケモンGOの開発者のナイアンティックや、ポケモンや任天堂の方々には、ぜひ流行語大賞病をあっさりはねのけるような二の矢、三の矢を続けていただくことを期待したいと思います。
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