銀行行政という立場からすれば、これを今まで見逃している金融庁、日本銀行の闇もまた深いというしかありませんが、青森県の複合施設アウガに見るように、こういうものは先延ばしにすればするほどその赤字額は巨額になっていくわけです。儲かっていない事業を継続すれば損は増えるに決まっていますよね。ですから一刻も早くやめるべき。金融庁は野放図な地方債の引き受けも含め、厳しく指導するべきでしょう。
夕張市の時は、粉飾決算に加担していた北海道拓殖銀行が先に倒産していまい、この「一夜貸し」をしてくれる金融機関がなくなってしまい倒産した――、という笑えない結末でして、もし拓銀がまだ存続していたら今も粉飾決算が続いていたかもしれない、という話なわけです。
更に驚愕の記事をご紹介。8月10日、SankeiBiz(サンケイビズ)に掲載された「空白地帯へのコンビニ出店支援 岡山県和気町、最大2000万円補助」です。
国の支援でコンビニ出店のなぜ
一部引用します。
「政府が力を入れる地方創生の波に乗り、地域活性化に取り組む岡山県和気町では今月、町内のスーパーマーケット空白地帯にコンビニエンスストア『ローソン』のフランチャイズ出店が決まった。同町が打ち上げた最大2000万円を補助する、出店支援制度を利用した第1号店だ。政府が地方創生を掲げて2年あまり。全国市町村では産業誘致や移住者の就業支援など、地方経済の再生をかけた動きが活発化している」
これのどこが地方創生なのか。どこが地域活性化だというのか。コンビニ欲しいよ~、と声を上げれば国の支援でコンビニができるというのはもう社会主義以外の何物でもないでしょう。声を大にして言いますが、これ、皆様の税金ですよ!!
コンビニの経営者も多少は経営者としてのプライドはないんでしょうかね。補助金がついているから行きますよと、ほいほい出してしまう節操のなさ。そんな採算を度外視したような事業に納税者、あるいは納税企業としては賛成しかねる、と蹴っ飛ばすくらいの気概を持ってほしい。補助金を出すほうも出すほうですが、乗るほうも乗るほう。この話を外国人投資家にすると、多分コンビニ会社の株は買いたくないと絶対に言うと思いますよ。補助金の問題は国民一人一人の問題でもあるのです。そんなカネ使うな、という声を上げていかなければこういう話はいつまでもなくならないでしょう。
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