日本株のモミ合い放れは「商い復調」次第だ

1日当たり2.5兆円台の売買代金がメドに

なお、トヨタ自動車株が約5カ月ぶりの戻り高値をつけてきた。英国のEU離脱が決定した6月、同社の時価総額は16兆円台までしぼんでいたものの、足元では21兆円近くまで急回復している。テクニカル面でも、長期投資家の売買コストとされる200日線(約6230円)を一時上回る場面もみられた。昨夏の中国人民元切り下げによる株安をきっかけに戻り売りに押される展開が続いてきたが、足元では需給面でのしこりもほぐれつつある。

なお、同社は7月以降の想定為替レートを105円から100円に修正した。この円高抵抗力を評価され、一段の下値を売り込みづらい展開から株価が徐々に切り上がっている。ちなみにドル円が1円振れると、同社の営業利益は400億円の増減につながるとされている。一方、想定為替レートの甘い輸出企業は依然として業績の下振れ懸念がくすぶっている。また米利上げ観測が新興国通貨安を引き起こすリスクも想定されるなか、新興国ビジネスの比重の高い輸出関連株はしばらく手掛けづらい状態が続く。

日本株は商い復調ならモミ合い放れ

9月2日、米8月雇用統計が発表される。仮に非農業部門雇用者数が3カ月連続で20万人超の増加となれば、9月もしくは12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測も高まろう。5日レーバーデーで米国は休場となる。ただその後、例年は夏季休暇明けの海外勢が東京市場へ戻り、秋以降の商いが復調する傾向もみられる。9月上旬以降の東証1部売買代金が増えるかにも注目したい。

20~21日、日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。黒田総裁は「総括的な検証をふまえ、追加的な緩和措置は十分ある」とする一方、米FRB内で利上げ時期の見通しが割れている。11月に米大統領選を控えるなか、市場予想(8月29日時点)での米利上げ確率は9月会合で約2割、12月会合で4割強と見込まれている。

2016年の東証1部売買代金(1日当たり)は7月に2.39兆円まで膨らんだ。ただ、これはゲーム関連株の商いが0.3兆円程度押し上げている。仮にその分を割り引くと、7~8月は2兆円程度の横ばいだったといえる。以上のことから、9月の日本株はボリューム面に注目したい。薄商いが続くようでは、日本株の独歩高も考えにくく、大型株中心の底上げも長続きしないだろう。しかし、1日当たり売買代金が2.5兆円台(15年平均)まで復調すれば、日本株はモミ合い放れの兆しとなろう。

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