ドル円は再び「1ドル120円」へ向かうのか 「ジャクソンホール」は相場の転換点に?
金融市場は、8月26日のジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演を待っていた。その注目の会合は、まさに相場の転換点となる可能性を秘めた会合となった。
イエレン議長の講演に、今後の金融市場を揺るがすような大きな内容があったわけではない。だが、予想よりもややタカ派的な内容であり、これで「コア3」と言われる残りのフィッシャー副議長、ダドリーNY連銀総裁らと歩調を合わせたという点は大きい。
大統領選の途中経過(いわゆるトランプリスクの軽減)を含め、FRBを取り巻く環境が好転しつつあり、それらがたまたまジャクソンホールの時期に重なったと言えるかもしれない。
FRBはクリントン大統領誕生ならどう動く?
ではまず、11月8日の米大統領選で順当にヒラリー・クリントン氏が当選した場合、FRBはどう動くであろうか?
新大統領がどのように政策を遂行していくのか、これにはいくつかのパターンがある。当然、大統領になったら目指すは4年後の再選なので、就任3〜4年目には経済は上向き基調になっていなくてはならない。そうであるならば、経済に負の影響を与えるような政策は、就任1〜2年目の時に済ませるべきだろう。
現在、米市場の株価は史上最高値近辺にあり、少々下落しても安心できるレベルにある。これまでの激しい選挙戦の中で、ミドルクラスを優遇する政策を採ることを約束しているクリントン氏は、政権を取った直後にそのような政策を打ち出してくるだろう。それはおそらく株式指標にはマイナスの影響を与えうる。
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