余裕?無謀?「Jリーグに2000億円」の皮算用 試合中継で巨額投資を回収できるのか

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――ネットサービスはコンテンツに加えてデザインや使い勝手が重要になる。どんな工夫をしているのか。

さまざまな分析によってユーザーの好みのコンテンツを学習し、毎回おすすめする仕組みにしている。サービスを開始するまでに、色々な研究調査を行った。これからもファンの声を聞きながら、新しい機能を搭載していきたい。

――月額1750円の価格はどのように決めたのか。

ファンにとってお得なサービスでなければならない。価格設定でもファンの声を聞いてリサーチし、フェアだと思ってもらえる設定にした。

日本市場は「スポーツ放送がバラバラ」

――スカパー!やWOWOWなどの衛星放送、ソフトバンクとヤフーによる「スポナビライブ」などがあるが、日本はまだいろいろなスポーツを安く見られる環境ではない?

日本に興味を持ったのは、従来のテレビにおいてスポーツがバラバラに放送され、価格もバラバラ。ファンにとってフェアではないと思ったからだ。こうした市場なら、手頃な価格で提供するダ・ゾーンが入り込む余地があると思った。ただ、必ずしもほかのサービスと競合するわけではない。今までのサービスに加えてダ・ゾーンを使う選択肢もある。そうでなくてもいいかもしれないけど(笑)。

日本政府は2025年までにスポーツ産業の市場規模を15兆円(2012年5.5兆円)にするという目標を掲げている。ダ・ゾーンはその取り組みに合ったサービスだ。

日本のオフィスには現在、実況・解説ブースが10ほどある。独自に実況しそれを配信している

――ビジネスモデルについて。収入は会員からの課金だけなのか。

そう、とても簡単なビジネスモデルだ。ユーザーがスポーツを楽しむのを邪魔したくないので、CMは入れない。日本のスポーツメディア産業には大きなポテンシャルがある。すばらしいコンテンツを手頃な価格で提供していれば、スポーツファンを増やし、ダ・ゾーンの会員も増やせる。広告など、ほかの収入源は必要ない。

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