「感情的になる自分」を変えるシンプルな方法 信頼される人は「ふっと身を引く」

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「あなたは感情的すぎて議論にならない」なんて発言は、それそのものが感情的だし、捨て台詞以外の何物でもありません。自分の思ったとおりにあなたが反応しないから、逃げようとしているか腹を立てているか、そんなもののように聞こえます。

もちろん、話していて思わず涙を流してしまったとか、挑発に乗って怒りをぶちまけてしまったとか、感情的な反応や態度が過ぎた場合には、「仕切りなおそうか」ということもあるでしょう。

でも、論理的に議論しないメンバーに、「君は感情的だ」、もっと言うと、「女性は感情的だから嫌なんだよ」みたいに聞こえるような発言をする上司は、本質的に器がちっちゃい!まずはそう考えるとほんの少し、冷静になれるのではないでしょうか。上司の好む反応パターンをよく研究して会話すれば、あなたの課題はクリアされるはずです。

私がよく出会った「あるある上司」への対処法

あなたの上司とはタイプが違うかもしれませんが、私がよく出会ったタイプは、部下のやることについて「必ず何かを指摘して、修正させたい」人でした。

そういう人の場合は、何か指摘されたら、「なるほど。おっしゃるとおりですね。気づきませんでした」などと感心しておいて、修正しても全体に関係のない部分なら修正してしまうのが手っ取り早いです。顔を立ててあげるってヤツですね。

逆に、本筋に影響する大きな箇所をいじろうとしてきたら、まずは前述のように「おっしゃるとおり」と受け止めておき、その後で、「先方の○○さんがこの箇所にこだわりがあるようなので、修正は難しいかもしれませんが、やってみます」と一旦引き取ります。そして、「おっしゃる観点が抜けていたのは確かなのですが、やはり修正が難しそうなので、あのままいくことにしたいと思います」と後から報告だけするようにする。

これ、意外と効くんですよ。上司の「指摘した」という満足感はちゃんと残りますから。上司が指摘や反論をしている途中に、「いや」「でも」「そうはいっても」と言い募ると、上司も引くに引けなくなります。

ですから、そのときは言葉をぐっと飲み込んで、「おっしゃるとおりですね」「なるほど、そうですね」と肯定の言葉を使うようにしましょう。これを意識するだけで、かーっと頭に血が上ることはかなり少なくなっていきます。言葉を選ぶ技術を使っているときは、気持ちではなく頭で会話しているので、自然と感情がコントロールできるはずです。

慣れてきたら、直しても構わない場所をあえて作って、それを指摘してもらって修正したテイにする、というスタイルや、思い入れが強くないものなら「修正されたら直しちゃって何かあったら上司のせいね」と腹を決めるという技術も使いこなせるようになります。要は、進みたいほうに進めばいいんですから、こだわらないでいい部分は捨てることです。

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