「感情的になる自分」を変えるシンプルな方法 信頼される人は「ふっと身を引く」

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あなたは、こんな今イチ上司のもとにあって、「感情コントロールをできるようになりたい」とおっしゃっています。確かに、ビジネス社会では、自分をコントロールできる人の方が信頼されます。

できる人は「引く」ことに長けている

私の周囲にも、多くのビジネスウーマンがいますが、偉くなっていたり仕事ができると評判の人は、「引く」技術に長けている人が多い実感があります。目の前で起こっている感情的な出来事から、ふっと身を引くのです。

私はこの技術を「幽体離脱」と呼んでいます。不愉快な出来事があったときは、男女問わずに感情が表に出てしまうことがあるものですが、女性のほうがより出来事に感情移入してしまう傾向があるように思うのです。そうなると、さらに当事者として感情が高まってきてしまう。そうなる前に、すっと身を引くのです。

瞬間的に反応しそうな自分を感じたら、「この人、なんでこんなに怒ってるの?」とか「私、キレかけてるわ、やばい!」とか、なんとかその場から思考を遠ざける。それが難しそうなら、とにかくその場は表情を変えないように努力して立ち去り、少し時間を置いてからもう一度出来事を眺める。出来事に巻き込まれている自分を客観視して、爆発しそうな感情を追い出してみるのです。

「できそうもない」と思われるかもしれないけれど、「感情コントロールの訓練」と意識してコミュニケーションすることだけでも、すでにコントロールでき始めているはずですから、きっと「できるじゃん!」と思える日はそう遠くないはずです。

相手がどれほど子どもっぽい人だったとしても、自分が思っていたようにはいかない不愉快な出来事があったとしても、仕事では、冷静に状況を見極めて判断しなければならない、ということはしばしば経験することです。女性が感受性豊かで、ゆえに時に感情的だと言われることはあるかもしれません。でも、男女差ではなくてやっぱり個人差であって、言い訳がましいけれど、論理的ではないということとは別物だと思います。男性でも、「うへー、びっくりした~」と思うくらい感情的な反応をする人、いっぱいいますもんね。

けれども、反応だけで損をしたり評価をさげてしまったりするのはもったいないことです。そう思えるのであれば、きっと反応の仕方は変化させることができる。あなたの思った方向に、より心地よく物事を進められるようになるはずです。

偉そうに言いつつ、私もまだまだ「幽体離脱」がうまくいかないこともよくあって落ち込みます。そんなときは、「まぁ、次、いってみよーか」と自分に言い聞かせています。きっと、周囲のベテラン女性陣も、色々工夫して訓練していると思いますよ。一度聞いてみるといいかもしれません。ともに訓練を積んで、仕事でスマートなコミュニケーションができる女性になっていきたいものですね!

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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