元トランプ選挙参謀を囲む「黒い簿帳」の衝撃 ウクライナ前政権と懇意だった米国人の正体

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海外企業のネットワークはペーパーカンパニーで構成されおり、誰が所有者なのかは所在地の秘密保護法により隠されている。

マナフォートが関わる案件での海外企業の役割は、ケイマン諸島とバージニア州の連邦裁判所に、ある投資ファンドに関する提訴が行われたことから知られるようになった。この投資ファンドはペリクレス・エマージング・マーケットで、マナフォートと数人のパートナーが2007年に設立した。同ファンドの大口の出資者はロシア財閥のデリパスカだ。なお、米国務省は、彼がロシアの組織犯罪とのつながりがあると見て、米国ビザの発行を拒否している。デリパスカはその点について否定している。

ヤヌコビッチ失脚後もウクライナで活動

デリパスカはのちに、ブラック・シー・ケーブルの買収のため、2008年に1890万ドルをペリクレスに投資したと主張。しかし、買収に関しては、最終的にブラック・シー・ケーブルの資産が誰のものになったかを含め、デリパスカとマナフォートとの間で論争となっている。

2014年、デリパスカはペリクレスへの投資を取り戻そうと、ケイマン諸島の裁判所に提訴した。なお現在は、ペリクレスは存在していない。デリパスカはまた、ペリクレスに2年間で730万ドルのマネジメント・フィーを支払ったと主張している。

マナフォートの弁護士のハイビーは、デリパスカがケイマンでの提訴で示した説明に異議を唱え、デリパスカは取引の最後までを監督していたと述べた。ハイビーは、マナフォートがペリクレスからはマネジメント・フィーを受け取っていないとし、ただしマナフォートのパートナーであるリック・ゲイツは「わずかな」金額を受け取ったという。ゲイツもトランプの選挙運動に加わっている。

マナフォートはヤヌコビッチ政権が倒れたのちもウクライナで仕事をし続け、失脚した大統領の仲間や、西側寄りの現政権に反対する政治家たちにサービスを提供してきた。彼の同僚の一部は今年もウクライナに滞在していた。また、マナフォートが自社(デービス・マナフォート・インターナショナル)のウクライナ支社を公式に廃止した様子は見られない。同支社は、長いあいだマナフォートのアシスタントとして仕事をしてきたコンスタンティン・V・キリムニックが運営していた。

(執筆:Andrew E. Kramer記者、Mike McIntire記者、Barry Meier記者、翻訳:東方雅美)

Ⓒ2016 New York Times News Service
 

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