女性が”海外男性社会”でサバイブする方法

世界最大級のビール会社で働いてみた

さて、当初は疎外されがちだったダニエラだが、ケミカルエンジニアリングのPh.D(博士)である両親に育てられたダニエラは勉強がクラスでもつねにナンバーワンだったので、テスト期間にお世話になろうとする“友人”が増え始め、勉強を頑張れば自分の居場所を確保できる、という感覚が芽生えた。

その後、奨学金を得てアメリカのエンジニアリング分野の名門大学リーハイ大学に進学。情報システムの修士過程に進んだが、どうも自分がやりたい仕事と違う。学校の教授やキャリアサービスセンター(アメリカの名門大学はキャリアサービスセンターがしっかりしており、日本のように60歳くらいの就職センターのおじさんが“履歴書は手書きで心をこめて!”などバカなことをやっているのとは月とスッポンである)の助けを受けて、航空会社のプライシング戦略に興味を持つようになった。ただし2008年という特殊な年に卒業を迎えたダニエラに、ろくな仕事は望めなかった。

リーマンショックの年に外国人として職探し

ご存じリーマンショックで全米にリストラの嵐が吹き荒れる中、移民のダニエラに仕事が回ってくる可能性はゼロパーセントに思えた。しかし、懇意にしていた教授の紹介で仕事を得ることができ、ダニエラは人生で初めて“ネットワークの力”を身をもって実感したという。

不況のさなか、仕事を得るには単に賢いエンジニアであるだけでは駄目だ。様々な外部の人と交流して人間関係をつくり、維持する“社交力”が人生には必要だ――特に不況のさなかに仕事を探す外国人の自分にとっては。

エンジニアの研究室で長年過ごしてきた自分は、はたから見れば愛嬌が少なく、一見難しい人だと思われがちだ。ダニエラは多くの人が最初は自分のユーモラスな面、楽しい面を見てくれないし、自分もそれが最初のうちは見せられないのはわかっている。しかし外国でビジネスで成功するには、ソーシャルな力を磨くことがいかに大切か痛感した、と語る。

そんな中、長い就職活動に終止符を打ったのは、お世話になっていた大学の教授からの紹介であった。こうしてダニエラは、世界で2番目に大きいビール会社、ミラー・クアーズ社からオファーを受けた。

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