名作絵本「ねないこだれだ」の意外な真実

子どもの世界はきれいごとだけじゃない

子どもが「これはぼくだ」「この子は私だ」と思ってくれる本を、私はつくりたかった。お母さんが喜ぶ本ではなくて、子どもが「自分だ」と感じる本をつくりたかったのです。そんなふうに絵本をつくっていると、どうしても、甘い終わり方ばかりにはならないのです。

原画:『くずかごおばけ』(童心社)写真提供:『ねないこはわたし』(文藝春秋)

私は自分の娘や息子もよく本の題材にしていたのですが、そんなふうに絵本をつくっていますから、「ちっともよく描いてもらえない」と文句を言っていました。娘などは、「お姫様にしてくれればいいのに」と思っていたようです。でも、私の本ではそうはいきません。現実の世界と同じように、絵本の中の子どもたちも、泣いたり困ったりしているのです。

子どもたち自身に、自分の物語をつくってほしい

包装紙がかわいいお店でつい買い物をしてしまう。紙は捨てられないから、どんどん溜まってしまうことに。写真提供:『ねないこはわたし』(文藝春秋)

37歳から、絵本作家としてやってきました。それで今思うのは、子どもたち自身に、もっと自分の物語をつくってもらいたいということです。できたら、貼り絵でね(笑)。ですから、作家生活の集大成として今回出した『ねないこはわたし』の中には、貼り絵の仕方や、どんな道具を使っているか、どんな紙を使っているかをこと細かく公開しています。

貼り絵は思ったより簡単で、失敗も少ないのです。はさみを使わなくても、手でちぎればいいので、小さいお子さんでもできるんですよ。紙だって、なんだってかまわないんです。私も昔から、お店の包装紙や、税務署の封筒の裏を使ってつくっているのですから。

お父さん、お母さんと一緒に、お子さん自身のおばけをつくってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。

(構成:黒坂真由子 写真:佐藤亘)

 

銀座の書店、教文館にて原画展開催中です。『ねないこはわたし』の中にある原画を間近でみることができます。
教文館ナルニア国店内(8月31日まで)東京都中央区銀座4-5-1 6F電話03-3563-0730
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