途方もない廃炉作業、その第一歩が始まった 「事故2年後」の福島第一原発

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4号機の耐震性リスクはどの程度か

4号機の使用済み燃料プールは、耐震性についても不安視されてきた。建屋の4階外壁およびオペレーティングフロア部分に当たる5階外壁が水素爆発で吹き飛んだことから、再び強い地震に見舞われた場合にプールが倒壊したり、水が漏れ出すのではないかと危惧されてきた。

これに対して東電は、「使用済み燃料プールは、厚さ140~185㌢㍍の鉄筋コンクリート製であり、さらに厚さ約6ミリメートルのステンレス鋼板で内張りされている」としたうえで、「プール下部のコンクリートおよび鉄筋の構造体で支えられている」ことから、「構造的に水は漏洩しない」と説明している。また、事故後に使用済み燃料プールの底の部分に鋼鉄製の支柱を打ち込むなどの対策も講じている。東電では建物が傾いていないことを確認しているとしており、さらに13年3月頃から柱や梁で鉄筋が露出した部分にモルタルを吹き付ける劣化防止対策工事も実施する計画だ。

もっとも、4号機については原子炉建屋爆発の原因や原子炉原子炉内部の損傷状況に不明な点があるうえ、「原子炉建屋以外の閉じこめる機能がないこと、原子炉よりも多量の燃料が貯蔵されていることなど、(使用済み燃料プールについては)原子炉内とは異なる条件が存在する」(国会事故調査委員会報告書)と指摘されている。

燃料取り出し作業の難しさ

使用済み燃料の取り出し作業が円滑に進むかどうかも予断を許さない。

使用済み燃料を保管する共用プール

東電はプール内に沈められている燃料集合体を「構内輸送用キャスク」に収納したうえで「取り出し用カバー」に据え付けられた移動式クレーンを使って搬出する。そして、輸送用トレーラーに乗せて運び出し、「共用プール」(写真右)に移し替える。今回使用する構内輸送用キャスクの総重量(燃料を含む)は約91トンで、最大で22体の燃料集合体を収納できる。

使用済み燃料プールからの搬入に先立ち、すでに共用プールに保管されている使用済み燃料6375体の大半は、大型の輸送貯蔵兼用または乾式貯蔵キャスクに収納したうえで、原発内の高台に設置される「キャスク仮保管設備」(現在、建設中)に移送することが必要。バケツリレーのような作業の繰り返しによって、4号機の使用済み燃料がはらむリスクを軽減させる考えだ。

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