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米国の住宅市場、回復支える“意外な主役” 景気・経済観測(米国)

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  • 服部 直樹 みずほ総合研究所エコノミスト
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そうした中、住宅在庫は大幅に減少している(下図)。新築・中古住宅全体の販売在庫は今年1月末時点で189.0万戸と、この半年で3割近く減少した。販売と在庫のバランスを表す住宅在庫月数(在庫数÷1カ月当たりの販売件数)は、2005年以来8年ぶりの水準まで低下し、優良物件をめぐる買い手の競争は激しさを増している。

需給の逼迫を背景に、住宅価格は持ち直しに転じている。代表的な住宅価格指標であるケース・シラー住宅価格指数(20大都市圏)は昨年2月以降、11カ月連続で上昇しており、その上昇幅は7%に達する。

住宅販売の回復を支えているのが、機関投資家による賃貸住宅投資の動きである。報道によると、多くの年金基金や投資ファンドに加えて、カナダやオーストラリア、欧州などの海外投資家も、賃貸住宅市場に参入しているようだ。もともと、住宅を購入して賃貸住宅に充てるという投資形態は個人によるものが中心であったが、過去2年間でそうした投資の主役は機関投資家に取って代わられたという。

機関投資家による賃貸住宅投資が増加している背景には、投資妙味の高まりがある。住宅バブル崩壊後、賃貸指向の高まりや住宅金融の目詰まりなどによって、賃貸住宅に住む世帯が増えている。その結果、賃貸住宅の空家率は2010年から低下に転じ、家賃も上昇ペースを強めているのが現状だ。住宅価格の値ごろ感も相まって、運用利回りが年率7%を超えている機関投資家もある。

個人の住宅購入抑制要因も徐々に緩和

こうした機関投資家に加えて、足元では個人の住宅購入も持ち直しつつある。次にあげるように、これまで個人の住宅購入を抑制してきた要因が、徐々に緩和しつつあることがその理由だ。

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【「アンダーウォーター」の解消で個人需要も回復へ】

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