米国の住宅市場、回復支える“意外な主役”

景気・経済観測(米国)

総額850億ドル(約8兆円)規模となる歳出の強制削減が、予定通り3月1日から実施された。当初、教員や消防士、FBI職員、航空管制官などの一時帰休によって国民生活に重大な影響を及ぼすとの指摘もあったが、今のところ目立った混乱は見られない。株価も引き続き高値圏で推移しており、市場の反応はおおむね限定的なものにとどまっている。

そもそも、歳出強制削減による影響が実際に出始めるには、数週間から数カ月程度かかるとみられ、実体経済にすぐさま大きな下押し圧力が加わるわけではない。さらに、住宅市場を中心に米国経済が着実な回復を続けていることが、市場の不安心理を和らげる一因となっている。

機関投資家主導で回復に転じた住宅市場

実際、米住宅市場は昨年以降回復の動きが鮮明だ。

2012年の住宅着工件数は前年から約3割増加し、78.1万件と4年ぶりの水準まで回復した。主力の戸建住宅が前年比プラス23.0%と力強く回復したほか、集合住宅が同プラス39.0%と驚異的な伸びを記録し、全体を押し上げた。

住宅販売も持ち直している。2012年の中古住宅販売件数(戸建・集合住宅合計)は、前年比プラス9.0%と堅調に増加。また、新築住宅販売(戸建のみ)も前年比プラス19.3%と、7年ぶりにプラス転化した。中古住宅に比べて価格水準の高い新築住宅でも販売が増加に転じたことは、販売回復のすそ野が広がっていることを示唆するものだ。

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