10年後も食える「ソフトスキル」の鍛え方 藤原和博氏とキャメル・ヤマモト氏に聞く
地域コミュニティで、「名刺抜きのプレゼン力」を鍛えよ
藤原:習慣化ってすごく大事ですよね。僕も情報編集力をつけるために、組み合わせてつなげるということを毎日やっていたら、頭の中がそういう構造になっちゃったんですよ。
PETボトルを見ても、水を入れる以外に何か使い道はないかと常識を疑ってかかってみる。どんなバカな組み合わせでもいいから、とにかく考えてみること。電車に乗っても、携帯をいじっている人と本を読んでいる人の割合を計算してみるとか、そういうものに興味を持っている人が最後には勝ちますよ。
キャメル:なるほど。私は、知らない人に話しかけるという実践をしています。
喫茶店で仕事することが多いんですが、隣の人の話が面白くて、作業そっちのけでそっちの会話をタイピングしていることがよくあります。ナンパをしろということではなくて、まずは話を盗み聞きし、面白いことを言っている人がいたら、「もうちょっと聞かせてくれますか」と話しかけてみるといいと思います。
藤原:一歩、間違えば不審者ですよね(笑)。しかも、キャメルという名前だし。
キャメル:はい(笑)。だから盗み聞きを慎重にやらないと。
――先ほど話題に上がった、プレゼン能力が必要になりますね。
藤原:そうですね。名刺は言うなれば最強のブランド。三菱だったり、三井だったりは、会社が多額の投資をして何十万人が作り上げてきたブランドですが、ブランドに守られるほど、自分ブランドが確立できなくなっちゃうんですよ。
名刺なしのプレゼン力を鍛えるには、小・中学校やテニスサークルなど、地域のコミュニティに参加すると、すごく練習になりますよ。そういうところで名刺を出すわけにはいきませんから。
本来、コミュニケーションはリスクがある投資なんです。リスクがあることに挑戦しなければ、大きなリターンを得ることは絶対にありません。どのように掛け算して付加価値を高めていくか。何も独立しなければできないことではありません。今いる会社にい続けたとしても、「組織内自営業者」の意識を持てば、組織を利用してユニークな存在になれると思いますよ。
(構成:宮崎智之/プレスラボ)
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