10年後も食える「ソフトスキル」の鍛え方 藤原和博氏とキャメル・ヤマモト氏に聞く
――日本人は一般的に、プレゼンが苦手だと言われています。外務省に勤務したことがあり、海外での滞在経験も多いキャメルさんは、そこをどう克服したのですか?
キャメル:私の場合はキャメルというネーミングですね。10年以上前、個人がEメールを持ち始めたときに、なんとなくアドレスに「キャメル」とつけてみたんですね。そのアドレスを長く使っていくうちに、自分の名前にもキャメルを使ってみようと思いまして、外国の方に会うたびに「My name is Camel Yamamoto」と名乗るようになったんです。
すると当然、相手は「Why?」と聞き返してくるので、その都度、思いつきで「昔、エジプトにいたからだ」と言ったり、ヨガをやっていたので「ラクダのポーズ」を決めてみたりしました。自分のユニークさをさりげなく出せるようにしておけば、英語がさほどできなくても、すぐに相手の心をつかむことができるんです。
――それは、すごいインパクトですね。
藤原:みんなミドルネームをつけますか(笑)。
キャメル:こういった講演会に出席すると、外国人が来ると勘違いしている人が多いので苦労しますが(笑)。
努力をすれば、「1万人に1人」になれる
――藤原さんにとって、ソフトスキルがある人とは、どのような人物だと思いますか?
藤原:具体的な名前を挙げればきりがないし、スティーブ・ジョブズだと言われても、「それはそうだけど、なれないじゃないですか」という話になってしまいますよね。
では、どういう人にソフトスキルがあるのかというと、先ほども言った掛け算ができ、付加価値をつけることができる人だと思います。こういった講演を聞きにきて勉強しようと思う人ならば、すでに会社の中で「100人に1人」の人くらいにはなっていると思うんです。でも、それだけでは、ただの「100人に1人」で終わってしまいます。重要なのは、ほかの異分野でも100人に1人になって、それを掛け合わせることなんです。
たとえば、お笑い芸人になりたい人がいたとします。その人が明石家さんまになることは難しいでしょう。彼は100万人に1人の人ですから。でも、努力すれば「100人に1人」くらいにはなれる。お笑い芸人ではなくても、この会場にいる全員を笑わせることができる人はザラにいると思います。