10年後も食える「ソフトスキル」の鍛え方 藤原和博氏とキャメル・ヤマモト氏に聞く

拡大
縮小

――日本人は一般的に、プレゼンが苦手だと言われています。外務省に勤務したことがあり、海外での滞在経験も多いキャメルさんは、そこをどう克服したのですか?

キャメル:私の場合はキャメルというネーミングですね。10年以上前、個人がEメールを持ち始めたときに、なんとなくアドレスに「キャメル」とつけてみたんですね。そのアドレスを長く使っていくうちに、自分の名前にもキャメルを使ってみようと思いまして、外国の方に会うたびに「My name is Camel Yamamoto」と名乗るようになったんです。

すると当然、相手は「Why?」と聞き返してくるので、その都度、思いつきで「昔、エジプトにいたからだ」と言ったり、ヨガをやっていたので「ラクダのポーズ」を決めてみたりしました。自分のユニークさをさりげなく出せるようにしておけば、英語がさほどできなくても、すぐに相手の心をつかむことができるんです。

――それは、すごいインパクトですね。

藤原:みんなミドルネームをつけますか(笑)。

キャメル:こういった講演会に出席すると、外国人が来ると勘違いしている人が多いので苦労しますが(笑)。

努力をすれば、「1万人に1人」になれる

――藤原さんにとって、ソフトスキルがある人とは、どのような人物だと思いますか?

藤原和博(ふじはら・かずひろ)
杉並区立和田中学校・前校長 
東京学芸大学客員教授
1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。最新刊の『坂の上の坂』が10万部を超すベストセラーに。

藤原:具体的な名前を挙げればきりがないし、スティーブ・ジョブズだと言われても、「それはそうだけど、なれないじゃないですか」という話になってしまいますよね。

では、どういう人にソフトスキルがあるのかというと、先ほども言った掛け算ができ、付加価値をつけることができる人だと思います。こういった講演を聞きにきて勉強しようと思う人ならば、すでに会社の中で「100人に1人」の人くらいにはなっていると思うんです。でも、それだけでは、ただの「100人に1人」で終わってしまいます。重要なのは、ほかの異分野でも100人に1人になって、それを掛け合わせることなんです。

たとえば、お笑い芸人になりたい人がいたとします。その人が明石家さんまになることは難しいでしょう。彼は100万人に1人の人ですから。でも、努力すれば「100人に1人」くらいにはなれる。お笑い芸人ではなくても、この会場にいる全員を笑わせることができる人はザラにいると思います。

次ページ「1万人に1人」にはなれる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT