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思考のスピードの速い人の健全な「疑い方」 数字をすぐに信じてはダメ!

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  • 木部 智之 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社ディレクター
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それでも、できるだけ事実に近づくアプローチをしなければなりません。そのために「視点」「視野」「視座」を変えるという方法があります。その3つの見方を使うことで円柱であることをとらえるのです。ひとつずつ見ていきましょう。

3つの見方

・「視点」――どこを見るかを変える

「視点」とは「何の、どこを見ているか」です。

たとえば、「あの会社は最近右肩上がりみたいですよ」という場合。その会社の売上がアップしているのか、利益が上がっているのか、あるいは営業職を大量採用して攻勢をかけているのか、などいろいろな見方があります。円柱を手にとっていろいろな角度から見るイメージです。

同じものを見ているつもりでも、人によっても、もちろん違いますし、実は自分でもそのときどきの気分によって変わったりもするのです。

・「視野」――見る範囲を変える

視野とは、「見ている範囲」です。

先ほどの例で視野を変えて見た場合。「最近右肩上がり」と言っても、実は黒字化したのは大都市部だけで、地方まで含めると赤字、という場合もあるかもしれません。あるいは、すごく目立つヒット商品がひとつあるので派手に見えるだけで、ほかの商品は実は赤字という場合もあるかもしれません。このように視野を変えて見ないと、「木を見て森を見ず」状態に陥ってしまいます。

一部分だけを見たり、ちょっと引いて全体を見たりと、視野を変えて、全体像を把握しましょう。

「木を見て森を見ず」という話は一般的ですが、私は空間だけでなく、時間も視野の範囲と考えています。目先のことばかりを見て仕事をしていてはダメです。「3日先」 「1週間先」「3カ月先」「半年先」「1年先」「3年先」のことを考え戦略を立てたうえで、目先の仕事をするようにしましょう。

・「視座」――見る立場を変える

視座とは、「どの立場・どの場所から見るのか」です。

「最近右肩上がり」という業績をどう見るかは、立場によって異なります。その営業所の所長にとってはいい結果かもしれませんが、その上位の事業部長から見ると、ほかの営業所は軒並み赤字で事業部全体の右肩下がりの業績に頭を悩ませており、ほかの事業所のことばかりを考えているかもしれません。

さらに社長から見ると、この事業部は会社全体の5%の売上しか出していないので、大きな関心を寄せていないかもしれません。

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【健全に「疑う」】

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