アマゾン「読み放題」、本好きがハマる超魅力 月額980円、電子書籍市場に火をつけられるか

拡大
縮小

実際、先行する米国では、サービスの利用前と利用後でユーザーの読書時間は3割ほど増加し、1カ月の本の購入額(キンドル・アンリミテッドの料金と単品の本の購入額の合算)も、3割ほど増加しているという。

読み放題サービスの導入によって、単品の販売動向にも変化が現れそうだ。キンドルストアでは、読み放題サービスで読まれた本も、一冊売れたものとして、ランキングに反映するという。

つまり、読み放題で話題になった過去の作品が、ランキング上位に登場して注目されるようになる。また、特定のシリーズ作品が読み放題で読まれ、ランキングに登場すると、その最新刊が単品販売で売れる、といったケースもありそうだ。

有料のプライム会員とは別なサービス

画像を拡大
12万冊以上が読めるキンドル・アンリミテッド。人気作家のベストセラーも数多くそろえている

気になるのは、アマゾンの有料会員サービス「アマゾン・プライム」(年額3900円)からは、独立したサービスになっていることだ。「プライム会員ではない方にも、広く使ってもらえるように別にした」(友田氏)という。

プライム会員は現在、動画見放題「プライム・ビデオ」や、音楽聴き放題「プライム・ミュージック」などが、追加料金なしで利用できる。今後、プライム会員となっているユーザー向けに何らかの優遇措置などがとられたり、サービスが連携する可能性もあるだろう。

現在、国内ではヤフーが展開する「Yahoo!ブックストア読み放題」(月額税抜き400円。書籍、雑誌、コミックが2万冊以上)、NTTドコモの「dマガジン」(月額税抜き400円。雑誌。会員数300万以上)、ソフトバンクの「ブック放題」(月額税抜き500円。雑誌とコミック)といった読み放題サービスがあるが、まだ本格的にユーザーに普及しているとは言い難い。

キンドル・アンリミテッドは電子書籍市場、読み放題サービス市場に、火をつけることになるのだろうか。ともかく、読書家にとっては、うれしいニュースといえそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光、食品業界の担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT