シンガポールの執拗さを学んだ中国

中国や韓国からナメられないためには(上)

リー・クアンユー氏の政治手法は、ときおり、「病的なまでの執ようさ」があるのが特徴なのだが、それが良い方向で今のシンガポールを導いたという話で盛り上がった。さらに、今の中国には、まさにこうした執ようさがあるのではないか、という白熱した話になった。以下、会話形式で振り返ってみよう。

ジェームズ:リー・クアンユー氏は確かにそうした性格をもっており、自分の信念にもとづきシンガポールを世界の金持ち国家に導きました。実は、私の父も政治家でしたが、始めはリー・クアンユー氏の政敵でした。ところが、彼が徹底した政策運営で大成功をとげた後は、次第に彼の考え方に同調していきました。優良国家に導いてくれた彼を悪く言う人は、シンガポールにはほとんどいないと思います。

彼の良いところは差別がないところです。たとえば、私も20歳前後に兵役を課されましたが、リー・クワンユー氏は自分の息子のリー・シェンロン氏にも同じ経験をさせています。シンガポールではうつ病の青年でも、家からの通いで、軍隊訓練を受けさせられます。

中村:シンガポールの国民1人当たり軍事予算は、世界第2位だと聞いたことがあります。

ジェームズ:そうです。世界首位はイスラエルで、3位がロシアです。シンガポールは小国ですから、マレーシアやインドネシアから攻められる可能性を心配しました。1965年にマレーシアから独立した時は世界からは長くは持たない、と思われたようです。

当時は中国共産党に対する危機感が強く、左傾化しないよう、あらゆる政策が取られたようです。他国から見ると「パラノイア国家」と、ときおり呼ばれるのは、そうした背景があったからです。スイスと同じような中立国家を目指したので、経済発展を実現させるためには軍事力も重要だと考えたのでしょうね。

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