「日銀ショック」で日本株が追い込まれる日

「必要なら追加緩和」は言い続けられない

黒田日銀総裁は、29日の記者会見で「必要な場合は、量・質・金利の3次元で追加緩和を講じる」と従来通りのコメントを述べ、先行きの追加緩和の期待を残した。デフレ色が強まる中、毎回、大規模追加緩和を見送り、「必要なら追加策を行う」と言い続ける、いつものパターンだ。

日銀は、2016年3月時点で総資産が405.6兆円まで膨らんでいるが、純資産は3.5兆円しかない。日銀券を刷り続けることで、資産規模を膨らませ続けることはできるが、純資産をすり減らすマイナス金利の国債買い取りには、いずれ限界が来る。

日銀は、3月末時点で、日本株ETFや不動産投資信託などを、すでに約9兆円持っている。ここから、年6兆円のペースでETFの買い増しを続けると、純資産に比べたリスク資産の保有はいずれ過大になる。

「日銀ショック」が訪れるときはいつか

日銀は、自らの財務を痛める大規模緩和を制限しなければならない日が来る。「年80兆円のペースで買い増ししているマイナス金利の国債を、年70兆円に減額しなければならない」といったことを議論しなければならなくなる。そうなると、金融市場に大きなショックをもたらすことになる。

米FRBが大規模緩和を終了した時のプロセスが参考になる。2013年5月、当時、米FRB議長であったバーナンキ氏が、「将来、金融緩和を縮小しなければならない」と発言しただけで、世界中の株が暴落した「バーナンキ・ショック」が起こった。

黒田日銀総裁が今、「将来、国債買い増し額の減額が必要になる」と口にすれば、同様のショックが東京市場に起こるだろう。黒田総裁は、日銀の「出口」を誰にも意識させないためにも、「必要ならば、追加緩和をする」と言い続けなければならなくなっている。

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