巷の「BABYMETAL論」は、ほぼ間違っている この3人組は、なぜ世界で成功できたのか

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3人が口をそろえるのは「逆輸入アイドルではない」という点だけではない。注目を集めた時期がちょうどよかったことも、BABYMETAL成功の理由だと主張する。

 アイドルが入り口ではなかった、と口をそろえる3人。「音楽性とパフォーマンスのすばらしさがファンへの入り口だった」という。一方でアイドル的要素を受け入れられ、今ではBABYMETALの一部として素直に捉えているという「かわいさ」について、「もし、IDZのリリースとアルバム発表で話題になる時期があと1年早ければ、ファンになりそこねていた」という意見も一致している。

確かに、それ以前に撮影された映像は、いずれも幼すぎた。3人が少し成長し、SU-METALの女性ボーカリストとしてのキャラクターが確立し始め、2人の天使が舞うスタイルが一般男性層にも受け入れられるギリギリのタイミングで最初のアルバムが出た。そういう意味ではタイミングがよかったという見方もできる。

A氏は「自分はメタル側からBABYMETALのファンにエントリーしたと言っていますが、ではアイドル側の要素がないかというとそんなことありません。この2年半の成長はパフォーマンスの向上だけでなく、顔つきや背丈の変化など、ずいぶん大きくなったなぁ……という父親的視点も入ったりして感情移入していることも、継続的に彼女たちを応援している理由」と話す。

「あともうひとつ。確かにSU-METALのボーカルがバンドの核です。彼女の歌唱力や楽曲のよさ、サポートする演奏者の質の高さもあるんですが、それだけでBABYMETALは成立しません。SU-METALだけのグループではなく、YUI-MOAの2人あってのライブパフォーマンスなんです。武道館ライブの初日、YUIMETALがステージから2メートル下に転落。ダンスはMOAだけで曲を完遂し、次曲のIDZでは復帰して何ごともなかったようにステージをこなしました。この事件がきっかけになって、YUI-MOAの重要性、認知が広がってBABYMETALが3人であることの重要性が認識されたんです。だから、われわれは誰もYUI-MOAの2人を"添え物のダンサー"だとは思っていません」(A氏)

3人のトークはその後も盛り上がっていくのだが、このあたりで切り上げて、話をビジネスの話に引き戻そう。

BABYMETALの魅力は「ライブ」にある

一連の話を読んで、“BABYMETALの魅力はライブにあるのか”と気づいた人も多いのではないだろうか。YouTubeに掲載されているファンカム(ファンが独自撮影した動画)を見れば、日米欧を問わず、どの会場でもライブ会場、フェス会場ともにすさまじい盛り上がりを見せていることがわかるはずだ。

実際、“アイドルとメタルの融合”と言われてはいるが、BABYMETALは一般的なアイドルのように、適度なテレビ露出を繰り返したり、雑誌のグラビアでかわいさを訴求するといったプロモーションを行ってこなかった。純粋にYouTubeでのPV公開、楽曲の売り上げとライブパフォーマンスを中心に口コミなどで広がった。

確かに“様式”としてはアイドルなのだが、その人気の広がり方は一般的なアイドルとはまったく違う。

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