安い靴ほど「靴磨き」をサボってはいけない 若いうちに覚えておきたい「靴メンテ」のワザ

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また靴ひもに関しては、本来は外してから靴磨きするのがベーシックだが、堀江さんは「あえて外さず磨く」方法を推す。

「つま先やかかとと違い、靴ひもの付近は靴の中でも最も革が劣化しにくい部分。むしろ靴ひもをはずす行為そのものが、靴ひもの周辺に余計な力をかけ、痛めてしまう。何よりも外してまた付け直すのは面倒ですからね。初心者の方なら、あえて外さないでつま先やかかとの付近を中心に磨く方法をオススメします」(堀江氏)

クリームを大量に塗りすぎない

スッピンになった靴に、今度は乳化性のシュークリームを塗る。気をつけたいのは、多くの人がシュークリームをべったりと大量に塗りがちなこと。ここでは、新たに指に巻きつけたコットンネルの先に、だいたい10円玉大を、薄くつける程度で十分だ。

「シュークリームの主な目的は『保湿』です。革にしなやかさを与えるため、水分と油分を加える。それこそ、化粧でいう乳液のようなもの。たくさん塗ったらベタベタになるし、あまり意味がありません」(堀江氏)

オキテ3 茶のクリームは、靴よりちょっと薄めの色を

薄くつけたクリームは、均質に伸ばすことを意識して靴全体に塗り込もう。このとき必ずコバ(靴底の端部分)にもクリームを塗ることも忘れずに。アッパーばかりが気になりがちだが、コバはひび割れしやすい場所だから。しっかり保湿しておきたい。

ところで、保湿に加えて、シュークリームには「補色」の役割も担う。だから無色のニュートラルなクリームもあるが、大半が黒や茶などの色付きなわけだ。そこで迷うのが色選びである。黒い靴なら黒で問題ないが、茶の靴といっても靴によって微妙に色が違う。もっとも「この茶の靴と同じ色のクリームはどれだ?」などと探し始めるとキリがない。

「まったく同じ色を探すのは至難のワザなので、『自分が持っている茶系の靴の色味よりちょっと薄め』を意識して使うのがいいでしょう。靴より濃い茶を入れてしまうと色ムラになる可能性が出てきますが、薄い分には問題ありません」(堀江氏)

料理も薄味でつくるのが基本。薄いぶんには後から付け足せるからだ。シュークリームもこれと同じだと心得たい。 

オキテ4 豚毛ブラシは2色分用意を

シュークリームを塗った後は再度ブラッシング。今度は豚毛ブラシの登場だ。というのも、豚毛は馬毛より固いため。シュークリームは布で塗りつけただけでは「ただ塗った」状態でしかない。これを靴全体になじませる必要がある。イメージとしては毛穴にクリームを染みこませる感じだ。そのためにはしっかりとコシのある豚毛が適している、というわけだ。

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