アップル「減益決算」に秘められた再浮上の芽 実は安定的に伸びている事業がある!

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iPhone SE、iPad Pro 9.7インチは、今回の決算で初めて組み込まれた新製品。決算分析としては「iPhoneの販売台数を下げ止まらせ、iPadからの収益を上向かせる効果があった」と評価できる。

アップルの今回の決算では、いくつかの変化を読み取れる。まず、iPhoneについては、販売台数を積み上げることに注力している一方で、iPadは少ない台数でより多くの収益を上げる、付加価値の高いモデルへの移行を進めている。

アップルの決算の中で、世界で2番目に重要な市場は中国だ。しかし中国市場では厳しい戦いが続いている。前年同期比で、米国市場の売上高はマイナス11%、欧州がマイナス7%、アジア太平洋地域がマイナス20%であるのに対し、中国市場ではマイナス33%と大幅な下落だった。

中国でのiPhone需要の減退が主な原因とみられている。そもそもの需要の停滞、競合する中国メーカーの成長と、iPhone 6の販売差し止めなど、さまざまな逆風が吹き荒れている環境だ。

市場は中国からインドへシフト

そんな中、アップルは、次なる市場としてインドへの期待を寄せている。
ティム・クックCEOはインドを訪れ、ナレンドラ・モディ首相と会談し、インドでのiPhone生産やApple Storeの進出、地図の研究開発拠点の設置、iOSアプリの開発センターの設置など、投資と市場への関与を強めてきた。

iPhoneのインド国内での販売台数は、9カ月過ぎた段階で、前年比51%増であると指摘し、その成果が出ていることを強調している。ちなみに、日本、ブラジル、ロシアでは前年同期比で2ケタ成長を記録しており、日本は23%の増加だった。

サービスからの収益の拡大についても、注目すべきだ。

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