アップル「減益決算」に秘められた再浮上の芽 実は安定的に伸びている事業がある!
アップルが米国時間7月26日に発表した2016年第3四半期決算(4~6月期)は、冴えないものだった。
売上高は432億6000万ドル、純利益は77億9600万ドル。前年同期に比べ、売上高はマイナス15%、純利益はマイナス27%と、2桁ケタの減収減益となった。
その主因は、アップルの主軸製品であるiPhoneやiPadの需要の陰りだ。しかし、ウォール街の予想と比較すると「そこまで悪くなかった」というのが市場の受け止め方。アップルが前四半期決算の際に出していたガイダンス(概要)やウォール街のコンセンサス(業績予想)に対して上振れしており、アップル株は時間外取引で上昇した。
なぜ、思いのほか、悪くなかったのか。実はiPhone SEとiPad Proの貢献があったからだ。
iPhone SEとiPad Proに助けられた!
アップルの決算では、主要製品の販売台数も発表される。いずれの販売台数も、前年同期比で10~15%程度落ち込んでいるが、予測に比べて下落幅を圧縮できた点に注目したい。
アップルはこの4~6月に、iPhoneは約4040万台を販売した。前年同期比で販売台数は15%の減少だったが、予想の4020万台を上回る実績だ。収益は販売台数以上の減少幅である23%減であったことから、2016年3月末に投入した4インチの廉価モデルであるiPhone SEの台数割合が増えたことが考えられる。
iPadは995万台と1000万台の大台を割り込んでいるが、予想されていた870万台を上回る結果となった。販売台数は前年同期比で9%減少しているが、収益は7%増加した。これは、iPhone SEと同じ2016年3月末に発売したiPad Pro 9.7インチモデルが好調であり、「少ない台数でより多くの収益をもたらした」ことを表している。
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