アップル「減益決算」に秘められた再浮上の芽 実は安定的に伸びている事業がある!

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アップルはiTunesでのコンテンツ販売に加え、App Store、iCloud、Apple Music、Apple Payといったサービス群からの売上高を拡大させてきた。サービスの売上高は、前年同期比で19%増と成長を持続させており、季節変化の少ないビジネスに成長している。

Apple Musicは、2016年6月の段階で1500万人の有料会員を集めた。またApp Storeは過去最高の売り上げを記録している(ちなみに、ポケモンGOの課金からの手数料収入はまだ含まれていない)。

Apple Payは世界300万カ所が加わり、収益の半分が米国以外の英国・カナダ・オーストラリア・中国・シンガポールなどの国々から得られている。

サービスの売上高は、iPhoneやiPad、Macの稼働台数が増えれば増えるほど、事業機会が拡大していく。iPhone SEのような廉価モデルがデバイス販売の売上高を圧縮したとしても、サービス売上高が伸びることによってカバーできる。

また前述のとおり季節変動が少ないビジネスであることから、安定的に、年間200億ドルの売り上げを達成できるようになる。ティム・クック氏はカンファレンスコール(電話会議)で、2017年に、サービスだけで「Fortune 100」(米フォーチュン誌が発表するランキング)企業の売り上げ規模を達成できると自信を見せている。

新型iPhoneの発売日を予想

アップルは、2016年第1四半期をピークに、前四半期、今四半期と2四半期連続で減収減益決算になっている。注目されるのは、新型iPhoneが発売され、その成績が反映される、2期先の2017年第1四半期だ。

例年、iPhoneは9月第2週頃発表され、第3週に予約開始、第4週に発売されて、数日間が第4四半期決算に組み込まれる。その計算で行けば、9月5日の週に発表、9月12日の週に予約開始、9月19日の週の週末、つまり9月23日発売という流れが順当だ。

ただ、今年は世界開発者会議「WWDC」が例年よりも1週間遅れて開催されており、そのまま1週間後ろにずれる可能性もある。あるいは、今週流れている情報では、9月16日発売が有力とのことだ。

9月16日発売となると、新型iPhoneの販売期間が例年より1週間長くなり、iPhoneのセールスがさらに1000万台上乗せされる可能性もあるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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