福岡の「水辺改革」始動、第1弾はここが面白い 地味な存在だった「水上公園」が一変!

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福岡・天神にオープンした新スポットを紹介します!(筆者撮影)

7月15日、福岡市の天神地区で、福岡の新しいシンボルとなる「水上公園」がリニューアルオープンした。ここはいわゆる一般的な公園ではない。福岡の行政や企業、一般市民まで、いわば“オール福岡”で大きな思いを込めている新スポットなのだ。

福岡市は2015年4月から新たな空間と雇用を創出するプロジェクト「天神ビッグバン」を推進しており、その第1号となったのが、エリアの東のゲートとなる水上公園だ。1924(大正13)年、昭和天皇ご成婚の日に記念公園として開園。九州随一の繁華街・中洲と天神をつなぐ橋のたもとという好立地ながら、長年ひっそりとした存在だった。

ではなぜ今回、水上公園が生まれ変わることになったのか。そこには、今福岡の”熱いエンジン”となっている、ある組織の存在がある。福岡の将来像を描き成長戦略を担うシンク&ドゥタンクとして2011年に設立された「福岡地域戦略推進協議会」(通称FDC)だ。

福岡の水辺を魅力的にしたい

現在、会員には福岡市などの地方公共団体、企業、大学といった約130団体が名を連ね活動している。このようなバリエーション、規模を持つ組織は、世界を見渡しても珍しい。たとえばここ数年、福岡は世界水泳など大規模な世界イベント誘致に次々と成功しているが、MICE誘致を官民で担う仕組みを提案したのはFDCだ。

都市再生部会では、福岡の水辺を魅力的にしようと「水辺活性化プロジェクト」で数年前から議論を重ねており、福岡市から水上公園の再整備に関する意見を求められ、民間活力を導入した賑わい・憩い空間の拠点に再整備することを提案した。

それを受けて市は2015年2月、民間事業者を公募。事業要件は、公園の中に事業者が施設を建て運営し、福岡市に地代を払う一方、公園部分は事業者の提案に基づき、福岡市が費用負担し整備するという、全国的にも珍しい試みだった。

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