困り事を「言えない人」に共通する残念な呪縛 「誰もわかってくれない」の勘違いを解く方法

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続いて、どんな言葉をチョイスするか、という点です。「絶対」「~すべきだ」というような断定的な表現は避けましょう。

積もり積もった思いを口に出すとなると、どうしても感情的になり、「こういう場合、絶対○○すべきだと思うんです」といった強い口調になりがちです。ただ、このような断定的な主張は相手に威圧感を与え、拒絶反応を引き出してしまう可能性が高いので、注意したいところです。

伝えたいことはあるけれど、お互い忙しくて、なかなかタイミングが計れない、直接言うのに勇気が出ない……。そんな時には、メールも便利です。ただ、メールは、表情も音調も伝わらない無機質なもの。実は、内容の解釈は読んだ時の相手の状況や心情に大きく左右されます。

また、最後まで、読んでくれるとも限りませんし、飛ばし読みをされてしまうかもしれません。特にマイナスの用件では、行き違いが生じてしまうリスクは高まります。手軽ではありますが、そのあとに、直接話すなどのフォローを入れるなどして、メールだけに頼ることは避けたいところ。

まずメールできっかけをつくる、というのは問題ないのですが、あくまで「補助ツール」としての使用が理想的です。

「自己主張」と「自分勝手」は違う

また、意見を言うことにためらいを感じる人の中には、自分が意見を言うことに対し「わがまま」ととらえられないか、「自己主張が強い」と悪くとらえられないかを極端に心配する人たちもいます。

攻撃的に言わない限りは、自己主張は必要です。自分の意見を言うことは、相手を押しのけたり、傷つけることとは違うのです。

ものの考え方は、人それぞれ、基準や価値観も違います。我慢して、苛立ちや怒りを覚える前に、その都度伝えて、小さなすれ違いや勘違いを修正していくことが理想的な関わり方なのです。

「どうせ伝わらない」との思いを確立する前に、少しの工夫と少しの勇気を出して相手と関わることで、わかりあえる一歩になることを期待します。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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