「スペインよ、お前もか!」 高まる欧州リスク 景気・経済観測(欧州)
出金欄にある金額は同党幹部に秘密裏に支払われた金額とされ、ある政治家を例に、幹部に就任した直後から支払いが始まった記録があると、指摘している。金銭の授受はバルセナス元議員から封筒に入った現金の手渡しで行われたとされる。
違法な資金を受け取ったとされる幹部の中には、ラホイ首相を含む同党幹部や大物政治家の名前が並んでいる。帳簿に記録のある金額を足し合わせると、ラホイ首相は総額で32万ユーロ(約4000万円)超の不正資金を受け取ったと同紙は報じている。
検察当局も動き出した
疑惑が浮上したことを受け、野党第1党・社会労働党のルバルカバ党首は3日、ラホイ首相に辞任を要求した。首相は報道の大半が事実に反するとして疑惑を否定、党の内部調査でも問題は確認されなかったと主張している。現在、外部機関にも調査を依頼している。国民党は不正があったと報道した機関を近く提訴する準備を進めているようだ。
野党は次の出方を探っている。国民党は議会の両院で安定過半数を確保しており、仮に野党が内閣不信任案を提出しても、現時点では否決される可能性が極めて高い(表)。与党・国民党の支持率は既に疑惑が浮上する以前に大幅に低下しており、今後一段と低下することは避けられない。だが、野党・社会労働党も現政権への批判票の取り込みに失敗しており、支持率が伸び悩んでいる。疑惑追及で与党に揺さぶりをかけるが、これまでのところラホイ政権を追い詰めるには至っていない。
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