都知事選が「三つ巴」になってしまった理由 「後出しジャンケン」は「ずるいやり方」か
今月31日に実施される東京都知事選の投開票を控え、本格的な選挙戦が繰り広げられている。今回は21人が立候補したが、今のところ、野党4党が推薦するジャーナリストの鳥越俊太郎氏、自民党ながら無所属で戦う元防衛相の小池百合子氏、与党からの推薦を得ている元総務相で前岩手県知事の増田寛也氏の3人が実質的な有力候補と目され、「三つどもえ」の様相を呈している。
「ラテラルシンキング」の観点から選挙戦を見る
個々の候補者の政策や適性などについては、評論家の分析に譲るとして、私は自分の専門分野である「ラテラルシンキング」の観点から、選挙戦をウォッチしてみたい。この言葉を初めて見聞きした読者も少なくないだろう。拙著『ずるい考え方 ~ゼロから始めるラテラルシンキング入門~』で詳しく解説しているのだが、これは私がライフワークとして研究を続けている思考法のことだ。日本語で訳せば、「水平思考」とでも呼んだらいいだろうか。
ある問題に対して、A→B→Cとロジックを順番に積み上げて解決していくロジカルシンキング(論理的思考)に対して、ラテラルシンキングは、この順番にはあまりこだわらない。狭く掘り下げるのではなく、目線を水平にして、常識や前提から自由になり、あらゆる選択肢から最適な解を選ぶという考え方である。
だから、AからいきなりCに至ることもあり得る。というより、極端にいえば、「Cに早くたどり着くには、どんな手段を使ってもよい」という考え方だといえるかもしれない。
たとえば、東京に本社を置く大企業が大阪支社のトラブルに担当者を向かわせるとする。いち早く現地に向かう方法として、ロジカルシンキングなら時刻表を調べていちばん早く乗れる新幹線を探すだろう。それが最も現実的だからだ。
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