「無理な減塩」が体にかえって良くない理由 夏場の脱水症状を防ぐ「いい塩」の摂り方
よく医師が「塩分を摂り過ぎるのは体によくない」と減塩を促すことがありますが、これも適切ではありません。なぜなら、こうした「減塩ブーム」は、食事が近代化するに伴い、増え続ける高血圧や心臓病の“スケープゴート”(身代わり)としてつくられたものだからです。
実際、1984~1997年にかけて疫学と社会医学会会長を務め、1996~1998年まで米国高血圧学会の会長職を務めたアルダーマン博士が、世界中で21万人もの大規模な生活調査をして、「塩分と高血圧や寿命の短さは関係ない」ということを突き止めた研究結果があります。ですが、減塩を否定する論文を提出した途端に学会誌への掲載拒否や、いわれのない批判を受けるようになるなど、発言を続けることが困難になったことがあります。
塩を控える高齢者ほど、脱水症状に陥ってしまう危険大
あまり公には言われていませんが、過度な減塩は命にかかわる危険を伴うのです。たとえば、塩の摂り過ぎは血圧を上げるとたくさんの人が信じていますが、これは逆を言えば、塩の主成分であるナトリウムが血圧を維持しているということです。つまり、無理な減塩をして必要なナトリウム量が得られなくなってしまうと、生命維持に必要な全身に血液を巡らせるための血圧を保てなくなってしまいます。
特に高齢者は健康のために塩を控えることがありますが、これはかえって健康に良くありません。塩を摂らないことで、喉の渇きを感じにくくなってしまい、脱水症状に陥るケースがあるからです。夏に減塩を意識し過ぎてしまえば、脱水症状に拍車をかけてしまいます。塩を摂ってこそ、脱水症状を防ぐことにもつながるのに、これでは本末転倒。本当は年齢を重ねていればいるほど、塩を制限するのではなく、上質なものを摂取するようにしていく必要があるのです。
脱水症状を防ぐには、水分補給と塩分摂取の両方が大事
夏になると、コンビニのドリンクコーナーに塩をプラスした清涼飲料水が多く並びます。これも実は塩分の摂取が体に非常に重要であり、脱水症状を防ぐのに、塩が効果的なことを証明しているからです。
まず体にいい塩を摂り、暑さに負けない体づくりが大切です。暑い時期は、屋外はもちろん、屋内でも脱水症状になりやすいため、くれぐれも熱中症になって、脱水症状で倒れないよう、小まめな水分補給、塩分摂取を心掛けましょう。
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