宋文洲氏創業ソフトブレーン買収劇の全内幕 買ったフュージョンパートナーの狙いとは?

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しかし、フュージョン社の真の狙いは持分会社化ではなかった。その後も市場内でソフトブレーン株の取得を継続。7月14日には、計45.57%まで取得を進め、連結子会社化した。

M&Aで業態転換してきたフュージョン社

積極的なM&Aで成長してきたフュージョンパートナー

フュージョン社は2000年代初めまで、メインフレーム用の基幹データベース管理サービスを柱としていた。だが、同サービスの市場縮小に直面。M&A(企業の合併・買収)によって、現在の収益柱であるASPサービスや、電話窓口の自動応答システムといった事業に業態転換してきた経緯がある。

2015年6月末には販促支援ソフトを展開するエイジアの株式の25.58%を取得し、持分法適用会社化。この際も、市場内で株式を一気に取得するという、今回と同様の手法だった。ただ、業務提携を目的としていたものの具体的な進展がなく、今年6月20日までに大部分を売却した。

ソフトブレーン株の取得に要した総額は43億円。手元資金やエイジア株の売却金額(約13億円)のほか、「総額の半分以上を、複数の銀行からの借り入れで調達した」(梛野社長)という。

多額の借り入れを元にした連結子会社化ではあるものの、梛野社長は「取得した株価は割安な水準だった。また、ソフトブレーンは営業支援ソフトのクラウドサービスで多くの優良顧客を持っており、業績が安定的に伸び、急に悪化する懸念も少ない」と自信を見せる。

子会社化したことで、2017年6月期以降のフュージョン社の業績には、3期連続で増収増益を見込む堅調なソフトブレーンの業績が連結化される。なお、フュージョン社はIFRS(国際財務報告基準)を採用しているため、買収に伴うのれんの定期償却は発生しない。具体的な業績への影響は、8月15日に予定している本決算の説明会で明らかにするという。

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