宋文洲氏創業ソフトブレーン買収劇の全内幕

買ったフュージョンパートナーの狙いとは?

また、フュージョン社は業務上の連携も視野に入れている。「自社の直販部隊がソフトブレーンの製品を販売するなど、両社の顧客にそれぞれの製品を販売するクロスセルが可能だ。また、当社の強みであるウェブサイト上の行動履歴分析と、ソフトブレーンの営業ソフトを連携させるなど、新しいサービスも生み出せる」(梛野社長)という。

小が大を飲む買収

フュージョン社にとって子会社化したソフトブレーンは、規模や知名度を比べると、格上とも言える立場にある。直近の売上高実績は、フュージョン社の22億円に対し、ソフトブレーンは61億円。7月21日時点の時価総額も、フュージョン社の94億円に対して、ソフトブレーンは144億円と上回っている。

ソフトブレーン創業者の宋氏は「フュージョン社は目のつけどころがよかった」と評価する(写真は2009年、撮影:今井康一)

さらに、ソフトブレーン創業者で、現在も同社のマネジメントアドバイザーを務める宋文洲氏は、メディア出演や執筆活動でも知られる著名人。ソフトブレーンは、同規模のソフトウエア会社の中で抜群の知名度を誇る。

宋氏は現在もソフトブレーン株を13%保有し、フュージョン社に次ぐ第2位株主。今回の件について、「フュージョン社は目のつけどころがよかった。株価は割安な状態だった。豊田社長と協力して、よりよい会社にして欲しい」との見解を示している。

ソフトブレーン関係者は、「実は、フュージョン社による株式取得が始まる前、中国の大手IT企業や国内の上場企業などから、何度か資本提携の打診があった」と打ち明ける。それだけ、ソフトウエア業界で注目されていた存在だった。

しかし、フュージョン社とソフトブレーンの業務提携の内容は、これから協議を進めていく段階だ。両社が一体となったとき、はたしてこれまでを上回る収益や、新たなサービスを生むことができるか。そうした効果を生み出せて初めて、今回の思い切った株式取得は成功したと言えるだろう。

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