トルコ大統領機は、ギリギリ撃墜を免れた クーデターはなぜ失敗したか

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もう1人の高官も大統領機が「上空でトラブル」に見舞われたとしたが、詳細は明らかにしなかった。

エルドアン大統領は、クーデターの首謀者らがマルマリスにいた同大統領への攻撃を試み、出発後まもなくして滞在していた場所が爆破されたと語っていた。大統領は「すんでのところで死を免れた」と、2人目の高官は語った。

フライトを追跡する複数のウェブサイトは、トルコ政府のビジネス用ジェット機が、マルマリスから車で約1時間15分の場所にあるダラマン空港から、GMT(グリニッジ標準時)で15日午後10時40分ごろに離陸したことを示している。

その後、大統領機はイスタンブール南方の上空で周回し、待機しているようだった。ちょうどそのころ、空港にいたロイターの目撃者によれば、地上ではいまだ銃声が鳴り響いていた。

前述の元軍将校によると、クーデター計画の空中作戦は、首都アンカラから北西に約50キロ離れたアキンジ空軍基地に重点が置かれていたように見える。少なくともパイロット15人が反政府側の司令官の命令の下で関与していたという。

トルコ軍トップのフルシ・アカル参謀総長はアキンジ空軍基地で拘束されたが、のちに救出された。同基地から飛び立った反政府側の戦闘機は15日夜、イスタンブールとアンカラ上空で繰り返し低空飛行を行い、市民を恐怖に陥れた。

一方、アンカラの西に位置するエスキシェヒル空軍基地からは、アキンジに爆弾を投下して反政府勢力を抑え込もうと戦闘機がスクランブル発進した。しかし反政府側の戦闘機は給油機を手に入れると、空中で給油して一晩中飛び続けることができたと、1人目の政府高官は語った。

給油機はトルコ南部のインジルリク空軍基地で奪われたものだった。同基地は、シリアとイラクで対「イスラム国」掃討作戦を行う米主導の有志連合が使用している。同基地の司令官は17日、共謀の疑いで拘束された。

黒幕の存在

トルコ政府高官3人は、2015年まで空軍トップを務めたアクン・オズトゥルク前空軍司令官がクーデターを計画した黒幕の1人だと語った。オズトゥルク前司令官は17日、他の数千人の兵士らとともに拘束された。

最高軍事評議会メンバーであるオズトゥルク前司令官は、8月に行われる同評議会の会合で引退する予定だった。

もう1人の黒幕は、元軍法律顧問のムハレム・コセ氏とみられると、高官3人は述べた。コセ氏が、かつてのエルドアン首相の盟友で米国を拠点にするイスラム教指導者、ギュレン師の信奉者だとの見方を示した。エルドアン大統領は、ギュレン師をクーデター計画の黒幕として糾弾している。

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