トルコ大統領機は、ギリギリ撃墜を免れた

クーデターはなぜ失敗したか

コセ氏は不正を行ったとして3月に職を解かれているが、軍からは除名されていなかったと、3人の高官のうち1人が語った。コセ氏の行方は現在分かっていない。

「非常に長きにわたり、準備が進められていたようだ。クーデター計画の首謀者とみられる2人にはブレーンがいたように見える」と、この高官は現在捜査中であることから匿名でこのように語った。

エルドアン政権は長い間、ギュレン師の信奉者が、権力を握る目的で、司法、警察、軍、メディア内部で「並列構造」を築こうとしていると非難してきた。同師はそのような嫌疑を繰り返し否定している。

不完全な準備

イスラム教の教えに基づく政治をルーツとするエルドアン大統領はこれまでも、世俗派の守護者だとする軍とうまくいっていなかった。トルコ軍は20世紀後半に3回、イスラム教徒主導の政府から権力を奪うべくクーデターを起こした。

エルドアン氏の首相時代、クーデター未遂で数多くの将校が投獄され、政府は裁判所を軍部の一部を排除するのに利用してきた。有罪判決はのちに晴れたが、政府によるそうした行動は士気を損ない、怒りを増大させた。

しかしながら今回のクーデター首謀者らは、軍内部の支持を過大評価していたように思える。

「クーデター首謀者にとって最大の障害は指揮系統の外にあった」と語るのは、トルコの元外交官で、現在はカーネギー・ヨーロッパの客員研究員を務めるシナン・ユルゲン氏だ。

「戦略的な目的を達成するには、極めて準備不足だった。過去のクーデターと比べて、その違いは歴然だ」と同氏は話した。

CNNトルコのキャスターは反政府側から同局が取り戻された後、兵士らについて、若くて「目はおびえ、熱意や決意の兆しは見られなかった」と表現した。

また元軍将校によると、クーデター首謀者らは監視下にあると気づき、計画の実行を早めたようだという。「完全に準備されていたわけではなかった。計画は漏れ、監視されていることが分かり、予定よりも早い決行を余儀なくされたようだ」

首謀者らはまた、国民を集結させ、街頭でデモを行うよう呼びかけるエルドアン大統領の能力を過小評価していた。

アキンジ空軍基地のあるアンカラ・カザン区長の広報アドバイザー、セルタク・コック氏によれば、クーデターが展開されるにつれ、地元住民は多数のジェット機が離陸するのに気づき始めた。

「ジェット機がアンカラにある議会やイスタンブールの人々を攻撃するのを見て、彼らは団結して基地まで行進し、やめさせようとした」と、同氏はロイターに電話でこう語った。

「基地までの交通を妨害しようとしたり、ジェット機の視界を遮ろうとして干し草を燃やしたりした。最終的には、基地の電力を遮断しようとした」

コック氏の話では、反政府側の兵士による銃撃で地元住民7人が死亡した。

(Humeyra Pamuk記者、Orhan Coskun記者 翻訳:伊藤典子 編集:高橋浩祐)

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