星野リゾート「星のや東京」が担う重大使命 1泊7.8万円の日本旅館は世界に通用するか

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現在ではすし屋が世界中にあって、当時の同級生もいつの間にかすしを食べている。わずか数十年ほどで「(レストランにすしという)新しいカテゴリーが生まれた。この変化が勇気を与えてくれる」(星野氏)。最も保守的といわれる食文化の変革が可能ならば、日本旅館を海外に持って行くことも不可能ではないからだ。

「星のや東京」は世界に通じる日本旅館、というスタイルを確立するだけでなく、高い収益性を出すことも求められている。その理由は所有と運営を分離してきた星野リゾートという会社の成り立ちに由来している。星野リゾート自体、土地や建物をファンドや不動産会社が所有し、施設の運営だけを請け負う、運営特化型の戦略で拡大してきた。「星のや東京」も土地・建物は三菱地所が所有し、星野リゾートが運営を請け負うスタイルだ。

自社で土地や建物を所有しない星野リゾートにとって、ニューヨークやロンドン、パリなど世界の主要都市に進出するためには、何らかのパートナー企業の存在が必要だ。彼らに海外でも日本旅館が通用すると思わせるためには、「星のや東京」で他社を上回る高い収益性をあげることが必須条件となる。

さまざまな期待を担う「星のや東京」。東京をステップに、日本旅館がすしのように世界中の都市で受け入られる日は来るのか。すべては7月20日に開業した、この日、この場所から、第一歩が始まりそうだ。 

 (撮影:梅谷秀司)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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