証拠が救世主に!使える「浮気LINE」の残し方 スキルがなくても、有効な証拠集めはできる
具体的にはどういうことなのか。事例をもとに説明してみよう。
■事例:夫のLINEのスマホ画面からトークがポップアップ
29歳のAさんは和歌山県在住の専業主婦。夫(31)の転勤を機に退職し、東京から和歌山県引っ越した。結婚4年目で、子供はいない。営業職の夫は接待で飲み歩き、帰宅が午前になることも。また、月に1回、本社で行われる会議に出席するため、東京に泊りがけで出張していた。
そんなある日、酔って帰りスーツ姿のまま、いびきをかきだした夫のスマートフォンの画面に、LINEのトークがポップアップした。「あや」というアカウント名で「次の出張はいつ?また泊まってってね」。
青ざめたAさんは、とっさにその画面を自分のスマートフォンで撮影。もともと東京でのキャリアに未練があった彼女は、夫と離婚して帰京し、再就職したいと考え始めた。LINEを撮影した画像をもとに、夫を問い詰めようかと考えているが、夫がしらばくれないか不安でもある。
Aさんが撮影したLINE画像は浮気の決定的な証拠になるのだろうか。
■木村弁護士「これだけでは確実な証拠とは言えない。より証拠集めを」
この1回のLINEのやり取りだけでは証拠としては弱いですね。「ただの友達」「ホテルに帰るのが面倒くさくて、1回泊めてもらっただけ」と言ったように、ごまかされてしまう可能性があります。
ここで大切なのが<ポイント1:一つの証拠だけで戦わない。最初に見つけた証拠をきっかけにたくさんの証拠で合わせ技一本を目指す>です。もう少し関係に継続性があり、肉体関係があることをはっきり証明できるような証拠を集めたほうがよいでしょう。
特別なスキルがなくても、証拠は自分で集められる
――他に証拠を集めるといっても、Aさんは現在専業主婦で、特別なスキルはありません。高額な興信所を使うのも厳しいですが、大丈夫ですか?
興信所を使わなくても、自力で証拠を集める余地はまだまだあると思います。特別なスキルも必要ありません。
LINEに限らずいえば、ラブホテルや不倫相手と行ったと思われるレストランの領収書、クレジットカードの明細書も証拠となり得ます。また、継続的にLINEを見ていれば、2人がイチャついた写真や、性行為があったことが確実に推認できる親密なやりとり見つかることもあると思います。
裁判では、興信所を利用せず、不貞行為を認めたケースは昔からありますし、近年では、興信所を使っていないケースで、LINEを主な証拠として不貞行為を認めたものもあります。LINEは直接言葉をやり取りするので親密さも分かりやすいですし、肉体関係があると分かるような直接的な表現がなされていれば、不貞行為があったことを示す重要な証拠となります。