次の「円安ドル高」は意外な形でやって来る 「ヘリコプターマネー」期待で進む円安

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またBREXIT(英国のEU離脱)直後のマーケットでは、欧米の株価が売られ、ドル円も下落(円高になる)し、まさに「リスクオフ」という状況が見られたが、こうした時に通常は下落する豪ドルやNZドルが逆行高となった。

しかも人民元が1ドル6.6前後から1ドル6.7方向に切り下がる中でのことである(昨年のチャイナショック時には、人民元切り下げがきっかけとなり、ドル円だけでなく豪ドルやNZドルも急落した)。少しでも利回りを求めるお金が、豪ドルやNZドルに流れたのであろう。

まさに現在のマーケットは、株価ではなく、為替でもなく、この異常な低金利、特に長期金利の低下がグローバルな資金の流れを変えつつあるように感じられる。

金利がこれだけ極端に低いと、相対的に株価が割安となる。グローバル企業の中でも、配当の大きな、ディフェンシブとみなされる株には、利回りを求める資金が流れていくのではないだろうか。

これが、米金利上昇が見込めず、下落しつつあるドル円と同時に存在することになる。これだけでも、単純なリスクオフ、リスクオンではなくなっている。そして、豪ドルやNZドルといった、比較的金利の高い、高格付けソブリンにも資金の一部が流れることになる。

英国から出たお金はどこへ?

では資金はどこから流れるのか? 最も大きな資金の流出元は英国となる。BREXIT問題で、どうしても短期的な英経済の見通しは不透明になるからだ(長期的にダメというわけではない)。

メイ内相の首相就任が確定的となったが、今は新政権を決める渦中にあるので、英国経済を支えるために動けるのは、英中央銀行だけとなる。また英ポンドの下落は、秩序的であれば、経済の下支えにもなる。よって、英中銀は今後積極的に金融緩和を進めることになるだろう。

さて英国を出た資金はどこへ行くのか? 最大の受け入れ先は米国、特に米国株に行く可能性が高い。BREXITでリスクオフ、と言うよりは、「不思議の株高」となる展開が目先期待できそうだ。

大手有名ヘッジファンドの中には中国発のリーマン・ショック並みの経済危機を予測(期待)しているところがあるが、それはいつの日かやってくるのだろうが、中国側もいまのところはマクロ経済をうまく切り盛りしており、今しばらくは安定してそうだ。

それゆえ、資金の一部は、豪ドル、NZドルと言ったところにも流れる可能性があるし、再度銀行の不良債権問題に焦点の当たりそうなユーロにも行く可能性がある。リパトリエーション(本国への資金還流)の可能性があるからだ。このようにBREXIT後の資金の流れは、単純な「リスクオン」「リスクオフ」を離れつつある。

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