「ユニクロ」の株価がいつまでも高すぎる理由 「トヨタ自動車」よりも実は5倍も割高?
さて、初回は国内外でカジュアル衣料品「ユニクロ」を展開しているファーストリテイリング(以下、ファストリ)と日経平均株価の関係について解説してみよう。誤解を恐れずに結論から言えば、ファストリの株価は高すぎ、日経平均に大きな影響を与えているのである。
「東証1部平均よりも3倍以上の値段」は妥当?
まず、なぜ「ファストリの株価は高すぎる」のだろうか。同社の株価は6月10日現在で1株2万9815円だ。
「5ケタ株価」なのでそれだけで高いのだが、実は株式市場には株価の割安度を判断するのに使うPER(株価収益率)という指標(=ものさし)がある。簡単にいえば、1株当たり利益の何倍まで買われているかを示すのがPERである。倍率が高いほど株価は割高と考える。このPERで見ると、同社株は約50倍。2000社弱ある東証1部の平均的な企業のPERは約15倍なので、なんとその3倍以上の数字になっていることがわかる。
国内外で高いブランド力を確立しているから」「海外で成長する小売業として有望だから」など、ファストリを評価する声は多い。ただ、日本最大の企業であるトヨタ自動車ですら「PER11倍」くらいまでしか買われない時代に、PER50倍まで買われるのは妥当と言えるのだろうか。
実はファストリのPERは、昔からずっと50倍だったわけではない。表を見ていただくとわかるが、2010年以降、日経平均が1万円から1万7000円に上昇する過程で、年々PERの水準を切り上げ、今日に至っている。
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