「ユニクロ」の株価がいつまでも高すぎる理由

「トヨタ自動車」よりも実は5倍も割高?

ユニクロはアジアでは成功しているが米国では苦戦。ファストリの株価は高すぎる(写真:ロイター/アフロ)
楽天証券経済研究所でチーフストラテジストを勤めている窪田真之です。これからほぼ毎週、ファンドマネージャー経験25年の経験を生かし、投資家の視点から、政治・経済ニュースの深層を解き明かしていきます。宜しくお願いします。

 

さて、初回は国内外でカジュアル衣料品「ユニクロ」を展開しているファーストリテイリング(以下、ファストリ)と日経平均株価の関係について解説してみよう。誤解を恐れずに結論から言えば、ファストリの株価は高すぎ、日経平均に大きな影響を与えているのである。

「東証1部平均よりも3倍以上の値段」は妥当?

【注】ファーストリテイリングは8月決算企業。決算期末の時価総額と純利益から計算される実績PERを表示(楽天証券経済研究所が作成)

まず、なぜ「ファストリの株価は高すぎる」のだろうか。同社の株価は6月10日現在で1株2万9815円だ。

「5ケタ株価」なのでそれだけで高いのだが、実は株式市場には株価の割安度を判断するのに使うPER(株価収益率)という指標(=ものさし)がある。簡単にいえば、1株当たり利益の何倍まで買われているかを示すのがPERである。倍率が高いほど株価は割高と考える。このPERで見ると、同社株は約50倍。2000社弱ある東証1部の平均的な企業のPERは約15倍なので、なんとその3倍以上の数字になっていることがわかる。

国内外で高いブランド力を確立しているから」「海外で成長する小売業として有望だから」など、ファストリを評価する声は多い。ただ、日本最大の企業であるトヨタ自動車ですら「PER11倍」くらいまでしか買われない時代に、PER50倍まで買われるのは妥当と言えるのだろうか。

実はファストリのPERは、昔からずっと50倍だったわけではない。表を見ていただくとわかるが、2010年以降、日経平均が1万円から1万7000円に上昇する過程で、年々PERの水準を切り上げ、今日に至っている。

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