再び1ドルが105円を割れるのはいつか 114円にはドルが超えられない「上値の壁」
5月23日の日本株は下落した。日経平均株価は前週末比81円安の1万6654円だった。また、売買代金も今年最低を記録するなど、かなり低調な動きとなった。
G7で改めて「円売り介入」にくぎ刺された日本
今週は26・27日に伊勢志摩サミットの開催が控えており、それまでは動きづらいことが背景にあるのだろう。為替相場もまるで動きが止まったかのようである。これまで日本株はドル円相場の動きに翻弄されてきたが、そのドル円も105円台半ばの安値を付けた後は急速に戻し、一時110円台を回復するに至った。ただし、ドル円は今後レンジ相場が続く可能性があり、これが日本株の膠着感につながることが想定される。
前週末に開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議では、これまでのスタンスを踏襲するだけに終わった。「世界経済の不確実性が増している」とし、「地政学的な紛争・テロ・難民、英国のEU離脱の可能性などが世界経済の環境を複雑にしている」とした。また「世界の需要の強化と供給制約の克服に向けて、各国の状況を踏まえつつ、金融・財政・構造政策を組み合わせて実施していくことについて議論した」としている。
さらに「金融政策は引き続き経済活動と物価安定を支え、債務の持続可能性を維持しつつ、機動的に実施する財政政策や、人口動態の変化などの共通の課題に対処するための構造政策を進めることが重要」としている。
一方、関心が高かった為替については、「為替レートを目標としないこと」を謳い、さらに「為替の過度の変動や無秩序な動きは、経済・金融の安定に悪影響を与えうる」とした。これはこれまでのG7の合意を再確認したものであり、目新しさはない。また、通貨の競争的な切り下げを回避することの重要性を強調し、日本の円売り介入にくぎを刺した格好である。
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