中国経済の「新常態(ニューノーマル)」 景気・経済観測(中国)

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それでは、もっと高い成長が望ましいのだろうか。もちろん高成長のほうが嬉しいに決まっている。しかし、中国政府は成長率に対する企業、消費者、地方政府の期待値を引き下げることに必死なように、筆者の眼には映る。

2012年通年の成長率はプラス7.8%となった。中国の経済成長率がプラス7%台に落ちたのは13年ぶりで、低成長を懸念する声もある。

しかし、馬建堂中国国家統計局長が、1月18日の記者会見で強調したのは、「中国経済の成長速度が過去のプラス10%以上の2桁成長からプラス7~8%に戻ったが、これは経済の発展段階の変化という客観的な法則に沿ったものだ」という点である。つまり、この程度の成長に落ちることがむしろ自然、「新常態(ニューノーマル)」というわけだ。こうした見方は中国では多数派となりつつあるが、中国国家統計局長が改めて強調したことの意味は決して軽くはない。

そして、これまでと今後が違うことの象徴として、馬統計局長は、生産年齢人口(15~59歳)が2012年に減少に転じたことを挙げた(前年と比べて347万人減少し、9億3727万人に)。「この価値ある数字が他の統計の中に埋もれてしまうのを心配し、今回の記者会見でわざわざ強調した」とまで語り、中国経済の潮目が変わったことを印象づけたほどである。

設備の過剰、債務の過剰、住宅供給の過剰を警戒

これほどまでに中国経済の先行きに対する期待値を引き下げようとしている理由は何だろうか。代表的なのは、設備の過剰、債務の過剰、住宅供給の過剰への懸念だろう。

IMF(国際通貨基金)は、近年の中国の設備稼働率は1990年以降最低水準にまで落ちたと推計している。また実際にも、上述のように、稼働率の低さが製造業の投資回復の足かせとなっている。

債務に関しては、地方政府債務残高が2010年末時点で10.7兆元(対GDP比約27%)にまで膨らんでおり、その処理はまだ途上にあるといわざるをえない。

住宅供給の過剰感も強まっている。2012年の販売面積9.8億㎡に対して、在庫面積(施工面積-販売面積)は33.1億㎡に達し、在庫面積の対販売面積比が2011年の3.0倍から2012年には3.4倍に拡大し、最高値を更新した。

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