中国経済の「新常態(ニューノーマル)」

景気・経済観測(中国)

輸出も伸びを高めた。通関輸出の実質伸び率は前年同期比プラス9.5%と、7~9月期のプラス4.1%よりも加速(みずほ総合研究所推計値)。日中関係の悪化により日本向けの輸出は落ち込んだが、欧米、新興国向けの輸出が好調だった。なかでもタブレットやスマートフォンなどのIT・デジタル関連財の輸出が高い伸びを記録した。iPhone5など新製品の発売が追い風となったとみられる。

しかし、中国経済が自立的な回復軌道に乗ったとみるのは早計だ。

輸出については、政策により上振れたとの指摘がある。昨年10月、中国政府は輸出促進のために、法定検査検疫物に対する輸出入時の検査検疫料を免除した。その失効を迎える12月末前に駆け込みが起こり、それが輸出を上振れさせたと中国商務部(経済産業省に相当)は記者会見で述べている(1月16日)。上記の数値ほど、実際の輸出環境が良いわけではないとの見解だ。

また、昨年10~12月期も固定資産投資が前年同期比プラス20.6%と高い伸びを保ったが(昨年7~9月期は+20.5%、いずれも、みずほ総合研究所推計値)、それも政策的な下支えによるところが大きい。道路・鉄道などインフラ投資の加速が効いた。また、不動産投資の伸びも幾分加速したが、これも初めてマイホームを購入する家計に対する住宅ローン金利の引き下げや地方政府による助成拡充などの手助けを得ている。建設業の投資の盛り返しもこうした政策の流れの中で起こったとみられる。

政府は生産年齢人口の減少による減速を強調

しかしその一方で、製造業の投資は振るわず、減速した。素材業種を中心に在庫の削減は進みつつあるが、稼働率が低水準の業種が多いことから、投資の回復にまでは至っていないのだ。例えば、鉄鋼業の投資は、前年比でみて縮小の度を増している。電機・通信機器などでも投資が減速している。ここから自立的な回復力の弱さが読み取れる。

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