英語を身に付けたいならこの3点を意識せよ ネイティブ思考ができれば苦手を克服できる

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次に「英語の語順」を意識してみましょう。

あなたがネイティブと会話をしているシーンを想像してみてください。会話の場合、当然、しゃべった順番通りに英語が出てきます。しかし、日本人は英語を文末まで待ってから意味を理解しようとするので非常に効率が悪くなります。しかも、「返り読み」を使って、「日本語の語順通り」に英語を組み替えようとしますから、会話をしていても、スムーズにキャッチボールができないのです。

では、今度はネイティブ同士の会話を思い浮かべてください。彼らは相手の話を聞いた瞬間、即座に反応しているはずです。これは彼らが、英語の意味を文頭から理解していくことに慣れているからです。

そもそも英語とは、まず「結論」があって、その結論について付帯状況を連ねて説明し、膨らませていく言語です。ネイティブたちにとって「結論」から理解していくというのは、ごく普通のことといえるのです。そのため、私たちが英語を勉強するうえでは、「英語の語順」で意味を理解することが必要となるのです。

「意味のまとまりごとに理解する」

3つめが「意味のまとまりごとに理解する」です。

たとえば、あなたが「返り読みをしない」「英語の語順で読む」を意識してネイティブと会話をした場合、必然的に新しい情報を頭からどんどんインプットしていくことになります。ところが、ネイティブの話す英語を文頭から文末まで聞いて、一瞬ですべてを訳すことなどできませんよね。そこで、具体的には英文を「意味のまとまりごとに理解する」ことで、分割して日本語訳をしていくのです。

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つまり、ネイティブと会話をしていて「I want to go to see a movie next week」と聞けば、先に「I want to go」までを「私は行きたい」と訳します。その後、「to see a movie」を「映画を見に」と訳し、最後に「next week」を「来週」と訳せば、返り読みすることなく、英語の語順のまま、日本語訳できるのです。これができれば、会話がスムーズになります。

こうしたネイティブと同じような思考で、英語を考えるのを「ネイティブ思考法」といいます。英語が苦手な人でも①「返り読み」をせず、②「英語の語順」どおりに、③「意味のまとまりごとに理解する」ことを意識して勉強できれば、短期間で効率的に英語力をアップできるはずです。それは「聞くとき(=Listening)」も、「話すとき(=Speaking)」も、「読むとき(=Reading)」も、「書くとき(=Writing)」も、すべて同じです。

ダン上野Jr. TOEICマスター/東京SIM外語研究所所長

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だんうえのじゅにあ / Dan Ueno Jr.

東京生まれ。東京SIM外語研究所、所長。大学時代より5年間、ロンドンでフルート奏法の研鑽を積む。その後、父ダン上野の薫陶により英語教育に目覚め、帰国後は「SIM同時通訳方式」の伝道師として幅広く活躍中。TOEIC990点満点保持者。4児の父。趣味はサッカー、スポーツ観戦、音楽鑑賞。

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