低すぎる参院選への関心「中間層が見えない」 「改憲勢力で3分の2」その実現性とリスク

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公明党も改憲には消極的だ。

「うちはあくまでも加憲の立場。改憲は困ります」(党幹部)

集団的自衛権の行使容認をめぐる憲法解釈変更に際しては、公明党内部でも賛否が分かれた。

「集団的自衛権は憲法解釈の問題でしたが、条文変更となると次元が全く違う。もしそういう議論になれば党の根幹や存立にかかわる話になります」(同)

だが、高安教授は懐疑的だ。

「改憲を提起する場合、安保法制のときのように自公で先に案を整理する可能性が高いですが、公明は9条を含む改憲の歯止め役として期待できるかどうか。自公政権が長く続く中で公明党内部も相当変質しています」

低投票率で改憲の道?

今回の参院選から、国政選挙では初めて18歳以上が投票できるようになる。

安全保障、金融緩和、財政赤字、原発、年金、いずれも政権や世代をまたぐ長期の問題だ。アベノミクスに伴う日本銀行による大量の国債買い取りも、将来に連なる大きなリスクをはらんでいる。

「ロングタームの影響が大きいテーマに絞っても、これから長くつき合わないといけない若者は投票に参加する意義がある」と高安教授は強調するが、気になるのは投票率の低さだ。テレビ、特にワイドショーが参院選を扱わないのが目につくという。

「今が国政選挙の期間中なのかという感じすらします。メディアには、有権者が何を選択しようとしているのか、あるいはこれまで何を結果的に選択してきたのかについて、論点を整理し、討論の舞台を提供するという役割をもっと果たしてほしい」

前出の山口教授はこう訴える。

「投票率が50%を切るような国政選挙で憲法改正の引き金を引くことになれば、日本の民主政治は終わりです。何はともあれ、投票に行ってもらいたい」

(編集部・渡辺豪)

※AERA 2016年7月11日号

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