低すぎる参院選への関心「中間層が見えない」 「改憲勢力で3分の2」その実現性とリスク

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イギリスのEU離脱を問う国民投票について、「とにかく現状を変えたいという漠然とした思いの反映で、大阪の橋下現象と似た現象が国家レベルで起きた」と分析する山口教授。今の日本はむしろ逆で、安倍政権支持は「変えたくない意思」の反映だと見る。しかし、「3分の2を確保すれば憲法を変えてくるのは確実なわけで、そのことが有権者の間でまだ現実的な危機感にはなっていない」(同)のが問題だと捉えている。

公明党内部の変質

苦悩する民進党とは対照的なのが公明党だ。

「野党連合は脅威を感じさせない」。党幹部はその理由をこう述べる。

「共産党には勢いを感じるが、それ以外の党はまとまりがなく、運動もばらばらです」

「学会員はフル稼働しています」と喜ぶのは九州の創価学会幹部だ。公明党は九州で唯一、福岡選挙区に公認候補を擁立した。震災後間もない熊本や、離島からも福岡に相当の応援が入り、手応えを感じているという。

「自公協力は信頼関係が構築され、成熟期に入っています。官邸主導と草の根の学会員がかみ合った選挙運動は力強い」

そう語る公明党幹部に、憲法が争点にならない理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「切羽詰まった問題とは認識されていません。憲法よりも暮らし、経済でしょう。そうなると『安定』が物を言うのです」

一方、比較政治学が専門の成蹊大学の高安健将教授はこう警鐘を鳴らす。

「政治家や政党を選ぶときに、どういうパッケージで政治が動くのかを意識しなければいけません」

アベノミクスへの肯定的な評価を基準に候補者や政党を選ぶと、憲法改正もパッケージとしてついてくる可能性に留意せよ、というわけだ。

高安教授は、改憲勢力が国会で3分の2を確保すれば、憲法改正の動きはゆっくりかもしれないが、確実に出てくると指摘した上で、違和感を唱える。

「憲法改正の議論は本来、社会が抱える問題の解決や処理のために不可欠だと判断されたときに起きるものです。しかし、現行憲法の何が問題なのか、どの条文を変えるのかはこれから考えましょう、というのは不思議な議論だ」

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