本社19時施錠!三菱化学の働き方革命 ムダな会議やメールも削減、有給取得率8割へ

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――2005~06年から総労働時間削減に取り組み、かなりの時間が経過しました。その効果は?

総労働時間が激減することはなかった。しかし数字には表れないが、中身は変わっている。以前は自分の労働時間に無頓着だったが、現在は労働時間をきちんと申告しているのだと思う。

労働時間に関係するのが有給休暇の取得率だ。日本企業の取得率は5割を切っているが、三菱化学では8割近い。また06年からライフサポート休暇を新設した。これは有給休暇に1日の休暇をプラスして連続休暇を取りやすくするための制度だ。この取得率もほぼ8割に達している。

もう1つ新しく始めた”荒療治”を紹介しよう。本社ビルの出入りは社員証を兼ねたセキュリティカードで行っている。この出入りを12年11月から19時以降はできないようにした。19時を過ぎると部屋に閉じ込められてしまうから、帰らざるをえない。もちろん残業が必要な時期もある。その場合は事前申請して特別なカードを人事に取りに来てもらう。

まだ運用したばかりだが、効果は大きい。19時以降に残っている人数はパソコンで把握できるようになっており、4月から10月まではだいたい150~160人が残っていたが、19時以降のセキュリティカードが無効になった11月は60人と約100名近く減った。早く帰宅して家族と夕食を共にする人が増え、いい結果が出ている。

――キャリア不安を解消するための人事制度について教えてください。

転勤一時見合わせ制度、勤務地自己申告制度、海外転勤同行休職制度という3つの制度を10年4月に導入した。これらは結婚、共働きに伴うキャリア継続の不安を解消するための施策だ。男女を問わずに適用されるが、当然のことながら主たる対象は女性になる。

もともと三菱化学では家庭の事情に配慮して配属してきたので、このような制度は不要という意見もあったが、やはり制度として整えておいたほうが安心できるので導入に踏み切った。

転勤一時見合わせ制度は、育児期間中に最長3年まで転居を伴う異動を留保する。勤務地自己申告制度は、離れて住んでいる配偶者の居住地への移動申請を認める。海外転勤同行休職制度は、配偶者の海外転勤に同行する場合に3年間の休職を認める。

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