三菱化学が独BASFにリチウムイオン電池向けの材料技術をライセンス供与
三菱ケミカルホールディングス傘下の中核事業会社である三菱化学は7月17日、「ビニレンカーボネート」と呼ぶ化学品の特許で、独の化学大手BASFとライセンス契約を結んだと発表した。三菱化学の保有する同製品の特許について、BASFが一定の許諾料を払い、リチウムイオン電池の主要材料である電解液の添加剤として使用する。
三菱化学はもともと独メルクと、同契約を結んでいたがBASFが今年2月にメルクの電解液事業を買収すると発表。三菱化学は独メルクの電解液事業を引き継いだBASFと、新たにライセンス契約を結び直した。
リチウムイオン電池は、正極と負極の間をイオンが行き来することで、放電と充電が行われる。その行き来を媒介するのが電解液。ビニレンカーボネートは電解液の寿命を伸ばす重要成分として、リチウムイオン電池を生産する電池メーカーに使用されている。
独BASFは売上高約735億ユーロ(2011年)を誇る世界最大の化学メーカー。近年は、電気自動車向けに急速な市場拡大が見込まれるリチウムイオン電池の材料など関連事業の拡大に力を入れている。三菱化学としては、強大なライバルに塩を送ることにもなるが、ライセンス供与によって一定の収入を得ることも可能となる。
(写真は東京・丸の内の三菱ケミカルホールディングス本社)
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
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