「移民問題」は米国の未来を大きく変える 約30年後、白人は少数派になっている

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──銃規制強化もあり?

大問題になる可能性がある。懸命に運動しているのは前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏。全米ライフル協会(NRA)が新しい法律ができるのを防ごうとして相当の大金を使ってロビー活動を続けているが、彼はNRAを超える金額をここ2〜3年出して、規制賛成派の活動を後押ししている。

人種によってロビー活動は異なる

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──この本はロビイング、中でもエスニックロビイングに詳しい。

日本で政治参加というと選挙ばかりを考える。今の形態ではどういう意図でその1票を投票したのか、政治家に伝わらない。しかしロビイングをすると、メッセージは伝わりやすい。なおかつ、この選挙区でそのためにこれだけ人を動員する、あるいはそうできないならば対立候補を支援すると意思表示できる。政治家自身にとってもどれだけ影響力があるのか読みやすい。米国にはロビイングをする伝統がある。エスニックに限らずロビイングをするのは不思議ではない。

──ユダヤ系のロビイングは有名です。

今やイスラエルロビーといったほうが正確だろう。エスニックロビイングも、国によって集団によって、狙いは必ずしも同じではない。

──メキシコ系のロビー活動は趣が違うようですね。

メキシコ系のロビーは、米国政治の対外政策を変えさせるより、米国に住んでいる人たちの状況をよくすることに力を注ぐ。メキシコは米国と圧倒的な経済格差がある。いずれ本国に帰ってくるための条件を整えることを念頭に置いてロビーで働きかける。中南米にとって米国はカネのなる木。二重国籍を推進しようとする国さえある。そうなると、米国内で米国に忠誠心がないと考える人たちが出てきてもおかしくない。

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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